【2026年最新】特定技能「介護」の試験免除要件とは?対象者と就労までの手続きフローを解説

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特定技能「介護」の試験免除ルート一覧と判定基準

特定技能「介護」で外国人材を受け入れる際、採用担当者様から最も多く寄せられる相談が「自社の候補者は、どの試験が免除されて、どの試験を受けなければならないのか?」という確認です。

結論からお伝えすると、候補者が歩んできた「前職・経歴(ルート)」によって、試験の免除範囲は【全免除】【一部免除】【全受検】の3パターンに明確に分かれます。

まずは冒頭で、自社の候補者がどの区分に該当するのか、全体像を一目で確認しましょう。

全試験(介護技能・介護日本語・N4)が免除される2つのケース

以下の2つの経歴に該当する外国人材は、「介護技能評価試験」「介護日本語評価試験」「日本語資格(N4またはJFT-Basic)」の3つすべてが免除されます。試験を一切受けることなく、特定技能1号「介護」のビザ(在留資格)申請手続きへ進むことが可能です。

  1. 技能実習2号(介護分野)を「良好に修了」した外国人材
    • 介護職種として日本で3年間の技能実習を無事に完了した方が対象です。「良好な修了」を証明するためには、実技試験(技能検定3級相当)の合格証や、前職の実習先・監理団体が発行する「評価調書」が必要となります。
  2. EPA(経済連携協定)介護福祉士候補者として4年間滞在した外国人材
    • EPAルートで来日し、特例滞在期間を含めて4年間適切に介護現場で就労・研修を行った方が対象です。国家試験で一定以上の得点を取得していること(基準を満たしていること)が条件となります。

行政書士のワンポイント解説

全免除の対象であっても、単に「3年間日本に居た」という事実だけでは認められません。入管(出入国在留管理局)へ申請する際に「良好に実習を修了した証明書類」を正しく添付できるかが実務上のカギとなります。

一部の試験(日本語試験のみ)が免除されるケース

次に多いのが、「一般日本語の試験(N4/JFT-Basic)は免除されるが、介護の専門試験2つは受検が必須」というパターンです。この区分は、採用現場で最も誤解や確認漏れが発生しやすいため注意してください。

  1. 他分野(食品・農業・建設・製造等)の技能実習2号を「良好に修了」した外国人材
    • 日本で3年間の技能実習を完了しているため、生活レベルの日本語能力があるとみなされ「N4/JFT-Basic」は免除されます。しかし、「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」の2つの専門試験は免除されず、受検して合格する必要があります。
  2. 日本語能力試験(JLPT)の「N3・N2・N1」を取得している外国人材
    • すでにN4より上位の日本語資格(N3以上)を保持している場合、基礎日本語試験(N4/JFT-Basic)は免除されます。ただし、介護現場特有の語彙力を測る「介護日本語評価試験」および「介護技能評価試験」の受検は免除されません。

【一目でわかる】自社の候補者が対象か分かる免除判定チャート

自社の採用候補者がどの受検パターンに該当するのか、以下のフローチャートを使って直感的に判定してみましょう。

  • Q1:過去に日本で「技能実習2号(または3号)」を良好に修了していますか?
    • 【YES】 ➔ Q2へ進む
    • 【NO】 ➔ Q3へ進む
  • Q2:修了した技能実習の職種は「介護」ですか?
    • 【YES(介護職種)】 ➔ 【パターンA:全試験免除】
      • 介護技能:免除 / 介護日本語:免除 / 一般日本語(N4):免除
    • 【NO(食品・農業・建設など他職種)】 ➔ 【パターンB:専門2試験のみ受検】
      • 介護技能:要受検 / 介護日本語:要受検 / 一般日本語(N4):免除
  • Q3:EPA介護福祉士候補者として4年間滞在しましたか?
    • 【YES】 ➔ 【パターンA:全試験免除】
      • 介護技能:免除 / 介護日本語:免除 / 一般日本語(N4):免除
    • 【NO】 ➔ Q4へ進む
  • Q4:日本語能力試験の「N3以上」を保持していますか?
    • 【YES】 ➔ 【パターンC:専門2試験のみ受検】
      • 介護技能:要受検 / 介護日本語:要受検 / 一般日本語(N4):免除
    • 【NO(留学生や海外直接採用など)】 ➔ 【パターンD:全3試験を受検】
      • 介護技能:要受検 / 介護日本語:要受検 / 一般日本語(N4):要受検

まとめ:免除区分ごとの対応まとめ表

候補者の区分・経歴介護技能評価試験介護日本語評価試験日常日本語(N4/JFT)必要な対応
技能実習2号(介護分野)修了者免除免除免除書類(評価調書等)を揃えて即ビザ申請へ
EPA介護福祉士候補者(4年滞在)免除免除免除実績証明を用意して即ビザ申請へ
他分野の技能実習2号修了者要受検要受検免除介護の専門試験2つの受検・合格が必要
JLPT N3・N2・N1保有者要受検要受検免除介護の専門試験2つの受検・合格が必要
上記以外の留学生・海外人材要受検要受検要受検3つの試験すべてを受検・合格が必要

自社の候補者が「全免除」だと思い込んでいたものの、実際は「一般日本語しか免除されず、介護専門試験の予約が必要だった」というケースは、採用計画を数ヶ月単位で遅延させる典型的な原因です。

次の章からは、それぞれのルートにおける具体的な免除条件や、実務で必須となる証明書類の手配方法について詳しく解説していきます。

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【ルート1】技能実習2号(介護分野)修了者における試験免除ルール

介護分野の技能実習2号(または3号)を完了した外国人材を採用する場合、「介護技能評価試験」「介護日本語評価試験」「日本語能力試験(N4以上またはJFT-Basic)」の全3試験が免除となります。

ただし、単に日本国内で3年間在籍していただけでは免除対象にはなりません。実務上、出入国在留管理局(入管)から免除を認められるためには、「技能実習を良好に修了したこと」を客観的書類で証明する手続きが必要です。

ここでは、実務で必須となる「良好な修了」の定義と、提出に必要な書類、職種・作業の注意点について詳しく解説します。

技能実習2号(介護)を「良好に修了」した場合の全免除要件

技能実習生が試験全免除で特定技能1号「介護」へ移行するための要件は、「技能実習2号を良好に修了していること」です。

出入国在留管理庁の基準において、「良好に修了している」とは以下のいずれかの条件を満たしている状態を指します。

  1. 技能実習2号の期間(2年9ヶ月以上)を完了していること
  2. 実習期間中に、次のいずれかの試験・評価を通過していること
    • 技能検定3級(または介護職種の実技試験「専門級」)に合格している
    • 実習期間中の出勤率や態度、習得状況に問題がなく、前職の受入企業および監理団体から評価されている

実習を途中で自己都合退職した場合や、素行不良・著しい出勤率の低下などにより実習を中断した場合は「良好な修了」とみなされず、全試験の受検が必要になる可能性があるため注意が必要です。

「良好な修了」を証明するために必要な書類(評価調書・技能検定3級など)

ビザ申請の際、入管に対して「良好に修了した」と認めてもらうためには、以下のいずれかの証明書類を提出する必要があります。

1. 技能検定3級の「実技試験合格証」または「専門級実技試験の合格証」

技能実習3年目の終盤に受検する実技試験の合格証書(原本の写し)です。これがあれば、最もスムーズに「良好な修了」が証明されます。

2. 「実習中の評価調書」(技能検定に不合格・未受検の場合)

何らかの事情で技能検定3級の実技試験に不合格だった場合や、受検できなかった場合でも諦める必要はありません。

前職の「実習実施者(受入れ企業)」および「監理団体」が作成した「評価調書」を提出することで、良好修了と同等の扱いを受けることが可能です。評価調書には、以下の項目が記載されます。

  • 実習期間中の出勤状況(遅刻・欠勤の有無)
  • 技能の習得状況および勤務態度
  • 日常生活における素行・守法精神

行政書士のワンポイント解説:評価調書の手配トラブルに注意

評価調書は「前職の監理団体・実習先」に署名・押印を依頼して発行してもらう書類です。前職との関係が悪化した状態で退職した場合や、廃業・担当者の変更があった場合、発行に時間がかかったり拒否されたりするトラブルが現場で多発します。採用が決まった段階で、早めに書類手配の目途を立てることが鉄則です。

職種・作業が異なる場合の扱いと免除範囲

技能実習の職種は「介護」であっても、移行にあたって注意すべき細かなルールが存在します。

  • 介護職種(身体介護・基本作業全般):全試験免除一般的な介護施設・事業所で技能実習を行っていた場合は、問題なく全試験免除が適用されます。
  • 同じ介護分野内での「事業所形態の違い」:全試験免除に影響なし例えば「特別養護老人ホーム」で実習を行った候補者が、特定技能で「グループホーム」や「有料老人ホーム」へ就労する場合も、同一の「介護分野」として全試験が免除されます。

【重要】技能実習1号(1年間)のみ修了の場合は免除対象外

技能実習1号(1年目)を修了した段階で特定技能へ移行する場合は、「良好な修了」の免除特例が適用されません。 技能実習2号(通算3年間)まで完了していることが全免除の絶対条件です。1年目でやむを得ず終了した場合は、全3試験の受検・合格が必要となります。

ルート1まとめ:技能実習2号(介護)修了者の対応手順

  1. 候補者の「技能検定3級合格証」または「評価調書」の手配可否を確認する
  2. 実習期間が「2年9ヶ月以上(2号満了)」であることを在留カード・履歴書で照合する
  3. 書類が揃い次第、試験受検を挟まずに「雇用契約の締結」および「ビザ申請準備」へ直行する

「介護から介護へ」の移行は制度上最もスムーズですが、「評価調書の手配遅延」という行政手続き上の落とし穴が存在します。採用内定を出すと同時に、証明書類の収集を開始しましょう。

【ルート2】他分野の技能実習2号修了者が「介護」へ移行する場合の罠

実務の現場で「最も採用計画を狂わせる誤解」が発生するのが、この他分野(食品製造・農業・建設・機械加工など)の技能実習2号(または3号)を修了した外国人材を介護職として採用するケースです。

「技能実習2号を無事に終えているのだから、介護へ移る場合も試験はすべて免除されるだろう」と判断してしまう企業様が後を絶ちません。しかし、この認識は明確な間違いです。

ここでは、他分野からの移行における正確な免除範囲と、実務上で直面する「受検計画」の落とし穴について詳しく解説します。

【最大の誤解】他分野の実習生は「専門試験(介護技能・介護日本語)」が免除されない

他分野の技能実習2号を「良好に修了」した外国人材であっても、「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」の2つの専門試験は一切免除されません。

出入国在留管理庁のルールにおいて、技能実習の経験による試験免除が認められるのは「過去の実習職種と、移行先の特定技能分野が同一である場合」に限られるためです。

例えば、食品製造の技能実習で身につけた技術や知識は、介護現場での身体介助や介護専門用語の知識とは直接結びつきません。そのため、どれほど前職の実習評価が高くても、介護職としての専門性を客観的に確認するための受検が必須となります。

免除されるのは「一般日本語(N4/JFT-Basic)」のみという事実

他分野の技能実習2号修了者に対して適用される免除措置は、「日常生活レベルの日本語能力試験(N4またはJFT-Basic)」の1つのみです。

日本国内で3年間の技能実習生活を問題なく送ってきた実績から、基礎的な日本語によるコミュニケーション能力はあるものとみなされ、N4やJFT-Basicの受検は免除されます。

したがって、他分野からの移行者が合格しなければならない試験と免除対象は、以下のようになります。

試験種別他分野の技能実習2号修了者における扱い備考
介護技能評価試験【要受検・要合格】CBT方式の専門スキル確認試験
介護日本語評価試験【要受検・要合格】介護現場の専門用語・会話の試験
日常日本語(N4/JFT-Basic)【免除】3年間の実習実績により免除適用

製造業・農業・建設等から介護へ転換する際の正しい受検計画

他分野からの移行人材を採用する場合、企業担当者が最も配慮すべきなのが「試験対策と受検にかかるタイムラグ」です。

全免除と思い込んで内定を出した場合、後から「2つの専門試験を受検・合格しなければビザ申請すらできない」と判明し、入職スケジュールが3〜4ヶ月以上遅れる事態が発生します。

このようなトラブルを防ぐため、他分野からの移行者を採用する際は以下のステップで受検計画を立ててください。

1. 採用内定と同時に「試験予約」と「教材の手配」を行う

候補者が前職(製造や農業等)で稼働中であっても、休日などを利用して「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」を受けられるよう、プロメトリックの予約と厚生労働省の無料多言語テキストの配布を即座に行います。

2. 「45日間再受検禁止ルール」を見込んだスケジュール調整

万が一、いずれかの試験で不合格になった場合、落ちた翌日から45日間の待機期間が発生します。採用計画を立てる際は「1回不合格になっても再受検してカバーできる猶予(入職希望日の3〜4ヶ月前)」を設定することが重要です。

3. 前職からの「評価調書」の手配も並行して進める

日常日本語(N4)の免除を受けるためには、前職の技能実習を「良好に修了したこと」を証明する必要があります。前職の実習先や監理団体から「評価調書」または「技能検定3級相当の実技試験合格証」を忘れずに手配しましょう。

行政書士のワンポイント解説:ビザの「繋ぎ」に注意

技能実習の修了日と特定技能ビザへの変更申請までにタイムラグが生じ、現在の在留資格(技能実習)が切れてしまう場合は、出入国在留管理局へ「特定活動(就労可・移行準備)」への変更申請を行うことで、日本に滞在・就労しながら受検や手続きを進めることが可能です。

ルート2まとめ:他分野の技能実習修了者の対応手順

  1. 間違えて全免除と判断しない(日常日本語のみ免除、介護の専門2試験は受検必須)
  2. 内定後すぐに介護専門テキストを渡し、受検予約を入れる
  3. 前職からの「評価調書」手配と「受検スケジュール」を並行して管理する

他分野からの移行人材は、すでに日本の生活習慣や就労マナーに慣れているという大きなメリットがあります。「試験免除の勘違い」によるスケジュール遅延さえ回避できれば、非常に優良な採用ターゲットとなります。

【ルート3】EPA介護福祉士候補者・留学生・その他資格保持者の免除要件

技能実習生以外のルートで日本に滞在している外国人材(EPA介護福祉士候補者、留学生、日本語資格保有者など)を採用する場合も、個々のバックグラウンドや保有資格に応じた明確な免除基準が定められています。

条件を満たしていれば、試験の一部または全部を免除してスムーズに特定技能1号へ移行できます。ここでは、実務で出遭う主要な3つのケースについて解説します。

EPA介護福祉士候補者(4年間滞在満了者)の全免除条件

インドネシア、フィリピン、ベトナムからのEPA(経済連携協定)に基づき、介護福祉士候補者として来日した外国人材は、条件を満たすことで「全試験(介護技能・介護日本語・一般日本語)免除」で特定技能1号へ移行できます。

具体的には、以下の条件をすべて満たしていることが必要です。

  1. EPA介護福祉士候補者として受入施設で4年間(特例措置を含む)適切に就労・研修を行ったこと
  2. 介護福祉士国家試験を受検し、一定以上の成績(得点)を収めていること

要件を満たしている場合、受入機関や関係団体から発行される「EPAの研修怠慢等がない旨の証明書類」や「国家試験の成績通知書」を提出することで、無試験で特定技能ビザへの変更手続きが可能です。

国家試験不合格者でも特定技能へ移行できる救済ルールと注意点

EPA候補者として4年間滞在したものの、最終的に国家試験で不合格となってしまった人材であっても、特定技能1号への移行ルートが「救済措置」として用意されています。

  • 移行の基準(国家試験の成績):介護福祉士国家試験において、合格ラインには届かなかったものの、総得点の10%以上(または各科目で一定の得点)を獲得している場合、試験全免除で特定技能1号へ変更できます。
  • 実務上のメリット:EPA候補者はすでに日本の介護現場で4年間の実務経験を積んでおり、現場での即戦力性は抜群です。国家試験不合格による帰国を回避し、自社で継続雇用するための非常に有効な手段となります。

行政書士のワンポイント解説:滞在期限とビザ変更のタイミング

EPAの滞在期限が切れる前に、受入れ施設側で特定技能1号への変更申請(または「特定活動(移行準備)」への変更手続き)を速やかに行う必要があります。合格発表からビザ期限までの猶予が短いため、合格発表前から特定技能への移行書類準備を進めておくのが実務上の鉄則です。

日本語能力試験(N3以上・JLPT)を保有している場合の日本語試験免除

留学生や他業種で働く外国人材、あるいは海外からの直接呼び寄せで「日本語能力試験(JLPT)」などの語学資格をすでに保有している場合、一般日本語試験(N4/JFT-Basic)が免除されます。

免除の対象となる主な日本語資格は以下の通りです。

1. 日本語能力試験(JLPT)の「N3」「N2」「N1」保有者

すでにN4の上位資格であるN3〜N1に合格している場合は、基礎的な日本語試験(N4/JFT-Basic)が免除されます。

2. 日本語能力試験(JLPT)「N4」または「JFT-Basic」合格者

当然ながら、すでにN4またはJFT-Basicに合格している場合も同試験は免除(合格実績を利用)となります。

免除対象外となる試験に注意!

上位の日本語資格(N3・N2・N1など)を保有していても、「介護技能評価試験」および「介護日本語評価試験」の2つの専門試験は一切免除されません。

「N2を持っているから日本語は完璧」と判断し、介護日本語評価試験を受けずにビザ申請を出して不交付になるケースが散見されます。どれだけ日本語が堪能であっても、介護分野特有の専門用語テスト(介護日本語)は受検が必須ですのでご注意ください。

ルート3まとめ:EPA・留学生・資格保持者の免除確認まとめ

候補者の条件・資格介護技能評価試験介護日本語評価試験日常日本語(N4/JFT)必要な対応・証明書
EPA候補者(4年滞在+国試一定得点)免除免除免除EPA研修実績証明書・国試合格/成績通知書
JLPT N3・N2・N1保有者要受検要受検免除JLPT合格結果偽造・失効の確認+専門2試験受検
日本語学校・大学の留学生(資格なし)要受検要受検要受検3試験すべての受検・合格が必要

EPA人材や日本語資格保有者は、現場でのコミュニケーション能力が高く魅力的な人材ですが、「介護専門試験の受検漏れ」という落とし穴がつきまといます。事前に資格証の原本を確認し、正しい受検計画を組み立てましょう。

実務で多発!特定技能「介護」の試験免除に関するトラブル事例と対策

特定技能「介護」における試験免除の仕組みは、一見すると採用手続きを簡略化できるように見えます。しかし、現場では「免除対象だと思い込んでいたのに、直前で書類が揃わずビザ申請が止まる」といったトラブルが頻繁に発生しています。

行政手続き上の不備や確認不足は、配属予定だった現場のシフトに穴をあけ、採用コストや時間を無駄にする最大の要因です。ここでは、実務で特に発生しやすい3つのトラブル事例と、それを未然に防ぐための具体的な対策を解説します。

トラブル1:評価調書(前職の監理団体・実習先)が得られず免除申請が停止する

技能実習2号を修了した外国人材を採用する際、最も多く発生するトラブルが「前職(受入れ施設や監理団体)から評価調書を発行してもらえない」という事態です。

試験免除の要件である「良好な修了」を証明するには、技能検定3級の合格証、または前職が作成する「評価調書」が必須となります。しかし、以下のような理由で書類手配が難航するケースが後を絶ちません。

  • 円満退職でなかったため、前職が書類発行に協力的でない
  • 監理団体や実習先が廃業・解散している
  • 前職の担当者が変更されており、当時の実習状況を把握できる人がいない

【予防策・解決策】

内定を出す前の選考段階で、「技能検定3級の合格証の写し」または「前職から評価調書を取得できるか」を必ず本人へ確認してください。 もし前職からの協力が得られない、あるいは廃業している場合は、出入国在留管理局(入管)に対して理由書を提出するなどの特殊な行政対応が必要になります。手配が難しそうだと判明した時点で、早めに行政書士などの専門家へ相談することが重要です。

トラブル2:免除対象だと思い込み、ビザ申請直前に不交付リスクが発覚する

自社で手続きを進めている企業でよく見られるのが、「他分野の実習生」や「N2・N3の日本語資格保有者」を全免除だと誤認したまま採用手続きを進めてしまうトラブルです。

雇用契約を締結し、入管へ在留資格変更申請を出した後に、入管の審査官から「介護技能評価試験および介護日本語評価試験の合格証が添付されていません」と指摘(補正通知や不交付の警告)を受けて初めてミスに気づきます。

そこから慌てて試験の予約を取ろうとしても、希望日の予約枠が埋まっていたり、不合格になって45日間の再受検不可ルールに引っかかったりして、入職時期が半年近く遅れることになります。

【予防策・解決策】

候補者の履歴書や在留カードをそのまま鵜呑みにせず、前述した「免除判定チャート」を使って受検が必要な科目を二重チェックしてください。 特に「技能実習生だから免除」と一括りで捉えず、「実習職種が『介護』であったか」「他職種(製造・農業等)であったか」の切り分けを社内で徹底することが不可欠です。

トラブル3:移行期間中の在留資格切れ(中断)と「特定活動」による繋ぎ

技能実習の満了日(または現行ビザの期限)と、特定技能ビザへの変更許可が下りるタイミングにズレが生じ、一時的に日本で無ビザ(不法滞在)になりかける、あるいは帰国を余儀なくされるトラブルです。

試験免除の確認や書類収集に時間がかかり、在留期限ギリギリに入管へ申請を出したものの、書類不備で受理されず期限を迎えてしまうケースが該当します。

【予防策・解決策】

在留期限までに特定技能1号への変更申請が完了しない見込みとなった場合は、速やかに「特定活動(特定技能1号への移行準備)」という繋ぎの在留資格へ変更申請を行います。

この特定活動のビザを取得できれば、最長4ヶ月間(週28時間以内、または条件を満たせば全日就労可能な場合あり)日本に滞在しながら、試験受検や免除手続き、ビザ変更準備を継続することができます。在留期限の少なくとも2ヶ月前からカウントダウンを行い、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。

まとめ:トラブルを防ぐ実務の鉄則

  1. 選考時に「評価調書」または「技能検定合格証」の手配ルートを確定させる
  2. 「他分野の実習生」は一般日本語のみ免除で、専門試験2つは要受検と周知する
  3. 在留期限の2ヶ月前には申請準備に入り、間に合わない場合は「特定活動」への切り替えを検討する

免除手続きのトラブルは、そのほとんどが「制度の誤認」か「前職との書類手配の遅れ」から生じます。事前にリスクを予知し、先手を打って書類回収を進めることが確実な採用への近道です。

試験免除申請から特定技能1号で就労開始するまでの具体的手続きフロー

自社の採用候補者が試験免除(または一部免除)の対象であると確認できたら、次は実際の採用・ビザ申請・着任に向けた実務手続きへと進みます。

試験免除ルートを活用する場合であっても、書類の収集や受入れ体制の整備、入管審査、さらに着任後の届出まで、着任までに最短でも2〜3ヶ月の期間を要します。

ここでは、採用決定から現場での就労開始、そして着任後に必須となる行政手続きまでの全手順を、時系列の4ステップで分かりやすく整理して解説します。

ステップ1:候補者の免除資格の確認と必要書類の収集

最初に着手すべきは、候補者の経歴照会と免除要件を証明するための「客観的書類」の回収です。書類に不備や不足があると入管の審査が大幅に遅延するため、契約前の段階で準備を整えます。

  • 技能実習2号(介護)修了者の必要書類:
    • 技能検定3級(または専門級実技)の「合格証書の写し」
    • 合格証がない場合は前職の受入企業・監理団体が作成した「評価調書」
    • 技能実習生に関する「履歴書(実習生時代の提出書類と矛盾がないか照合)」
  • 他分野の実習生・日本語資格保有者の必要書類:
    • 他分野の実習修了を証明する「評価調書」または「技能検定合格証」
    • 介護技能評価試験・介護日本語評価試験の「合格証明書」(マイページからダウンロード)
    • 日本語能力試験(JLPT)の「合格結果通知書」または「認定書」(N3・N2・N1保有者の場合)

ステップ2:雇用契約の締結と受入れ体制の整備

必要書類の目途が立った段階で、特定技能基準に準拠した「雇用契約」の締結と「支援計画」の策定を行います。

  • 特定技能基準の雇用契約締結:
    • 報酬条件: 日本人が同等の業務を行う場合と同等以上の報酬額(昇給・手当を含む)を設定すること。
    • 労働条件: 介護職としての具体的な業務内容(身体介護、施設内でのサポート等)を明確に記載すること。
  • 1号特定技能外国人支援計画の作成:
    • 入国・着任時の送迎、住居(賃貸契約等)の確保、生活オリエンテーション、日本語学習支援、苦情対応など、法制化されている支援内容を具体化した計画書を作成します。
    • ※自社で支援を行わない(または行えない)場合は、登録支援機関への委託契約を行います。

ステップ3:出入国在留管理局(入管)への在留資格変更・交付申請

すべての提出書類と申請書が揃ったら、出入国在留管理局(管轄の入管)へビザの申請を行います。

  • 国内在住者の場合(技能実習生や留学生など):
    • 「在留資格変更許可申請」を行います。審査期間は通常1〜2ヶ月程度です。
  • 海外からの直接呼び寄せの場合:
    • 「在留資格認定証明書(COE)交付申請」を行います。発行後に現地へCOEを送付し、現地日本大使館でビザ発給を受けて入国します(2〜3ヶ月程度)。

審査の過程で、入管から過去の実習状況や前職の評価調書に関して「資料提出通知書(追加書類の要求)」が届くことがあります。指定された期日内に的確な補正書類を提出できるよう、準備を怠らないことが重要です。

ステップ4:就労開始後の「特定技能協議会」への加入手続き(4ヶ月以内)

在留資格の許可が下り、事業所で正式に就労を開始して手続きが完了…というわけではありません。就労開始後に絶対に行わなければならない最重要の行政手続きが存在します。

それが、厚生労働省が管轄する「介護分野における特定技能協議会」への加入手続きです。

  • 加入期限: 外国人แถ制度の変更許可を受け、受入れ(就労)を開始した日から4か月以内
  • 申請窓口: 厚生労働省の「特定技能・育成就労協議会システム」からオンラインで申請
  • 未加入のリスク: 加入手続きを行わないまま放置すると、次回のビザ更新時に「協議会会員証明書」が添付できず、在留資格の更新が不許可となるリスクがあります。

行政書士のワンポイント解説:協議会の手続き忘れを防ぐコツ

協議会の加入申請から会員証が発行されるまでには数週間から1ヶ月程度かかる場合があります。就労が始まったら「後でやろう」と後回しにせず、配属初週のうちにオンライン申請を完了させておくのが実務上のルールです。

まとめ:免除申請から就労開始までの全体スケジュール

手続きステップ主な実行内容目安となる期間
ステップ1免除資格の確認、前職の評価調書や合格証の収集1〜2週間
ステップ2特定技能の雇用契約締結、支援計画の作成(委託)1〜2週間
ステップ3入管への在留資格変更・交付申請と審査対応1〜2ヶ月
ステップ4入職・就労開始 ➔ 「特定技能協議会」へ加入申請就労開始後4ヶ月以内

試験免除を活用すれば、テスト対策にかかる期間を大幅に短縮できます。その分、「書類の精度を高めること」と「就労後の協議会加入までをワンセットで管理すること」に注力し、計画通りのスムーズな受入れを実現させましょう。

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特定技能「介護」における試験免除の判定やビザ申請手続きは、制度上の条件が細かく規定されており、社内だけで正しく判断・処理を行うには多くの時間と労力を要します。

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出入国在留資格(ビザ)手続きの専門家として、事業主様の円滑な外国人人材採用を強力にサポートいたします。

複雑な免除条件の判定から書類手配までスピーディーに対応

当事務所では、特定技能「介護」に関する豊富な申請ノウハウに基づき、貴社の採用計画を止めることなくスムーズなビザ取得を実現します。

  • 候補者の「免除条件」を事前診断履歴書や在留カード、前職での実習実績を確認し、全免除・一部免除・要受検のいずれに該当するかを事前に正確判定します。「申請後に受検が必要と分かり計画が遅延する」リスクを未然に防ぎます。
  • 前職からの「評価調書」など難易度の高い書類回収をサポート元実習生の技能検定合格証の手配や、前職の監理団体・実習実施者からの評価調書の取得に関するアドバイス・手続きフォローを行います。前職との連絡に不安がある場合もご相談ください。

入管申請・協議会手続きまで一社完結でサポート

MIRAI行政書士事務所では、単なるビザ申請書類の作成にとどまらず、受入れ前後に発生するあらゆる行政手続きをトータルでバックアップいたします。

  1. 特定技能基準に準拠した雇用契約書・条件書のチェック入管審査で不交付の原因となりやすい報酬基準や労働条件の記載について、基準を満たしているか徹底確認・作成アドバイスを行います。
  2. 出入国在留管理局(入管)への申請代行申請書類の作成から管轄入管への提出、審査期間中の「資料提出通知(追加書類要求)」への対応まで、申請取次行政書士が責任をもって対応します。貴社担当者様が入管窓口へ足を運ぶ必要はありません。
  3. 「介護分野における特定技能協議会」の加入申請サポート着任後4か月以内に義務付けられている協議会への入会申請手続きまで手厚くフォローし、将来のビザ更新不許可リスクを完全に排除します。

まとめ:まずはお気軽にお問い合わせください

外国人材の採用において、「制度の勘違い」や「書類手配の遅れ」による数ヶ月のタイムロスは、介護現場のシフトや事業経営に大きな影響を与えます。

「自社のケースで試験免除が適用されるか確認したい」「ビザ申請手続きを一括してプロに任せたい」という企業様は、大阪でビザ申請・在留資格のサポートを行うMIRAI行政書士事務所が運営する『ビザ申請の窓口』へ、まずはお気軽にご相談・ご依頼ください。現場の即戦力化に向け、最適な手続きプランをご提案いたします。

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この記事の監修者

西脇 清訓

MIRAI行政書士事務所

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代表行政書士

西脇 清訓

プロフィール

2020年行政書士事務所開業以来、国際業務、相続業務、補助金申請・法人設立など、人生と事業の節目に寄り添う専門家として、実務経験と豊富な知識を活かし、多くのお客様の課題解決に貢献してまいりました。

近年増え続けている外国人採用企業様への支援体制を強化し、中国人スタッフや多言語対応スタッフと共に、各種VISA申請をサポートしております。

「わかりやすく、ていねいに、誠実に」をモットーに、法律の専門家として、最適なサポートをお約束いたします。

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ご相談から申請までの流れ(6ステップ)

  1. 当サイトからお問合せ
  2. 無料相談・見積書作成
  3. ご契約
  4. 証明書収集・申請書作成
    ・申請手続
  5. 結果のご報告
  6. 清算・アンケート
※「1.お問い合わせ」から「6.結果報告」までの期間はビザの種別によって異なります。

よくあるご質問

就労ビザと特定技能ビザの違いは何ですか?
特定産業の人手不足を解消するための外国人を雇用するためのビザが特定技能ビザなのに対し、就労ビザには学歴、専門的な知識が求められることがあります
もっと詳しく知る
ビザは自分でとれますか?
申請すること自体は可能ですが ビザ取得は手続が煩雑で、申請ミスがあれば却下されるというケースもあります。確実に取得したい場合は行政書士にお任せください。もっと詳しく知る
ビザの更新手続の流れと必要書類は?
在留期間満了前に申請する必要があります。ビザによって必要書類はことなりますの事前にしっかりと確認をしておくこと重要です。もっと詳しく知る
国際結婚の手続は?
国際結構をして一緒に日本で住むためには配偶者ビザの取得が必要になります。
配偶者ビザの申請拒否を受けると再申請は非常に難しくなりますので、慎重な申請が必要です。もっと詳しく知る
外国人を雇用する際の手続は?
ケースごとに異なりますが、一例をあげますと①採用計画②募集③選考④就労ビザ取得⑤雇用契約 という流れです。採用計画の時点で必要なビザを策定する必要があります。もっと詳しく知る
外国人を雇用する際の注意事項は?
雇用する外国人の業務内容とビザ(在留資格)が合致している必要があります。合致しない場合は雇用できません。もっと詳しく知る
外国人技能実習生を受け入れるには?
技能実習計画を作成し外国人技能実習機構の認定を受ける必要があります。もっと詳しく知る
申請拒否された場合、料金は返金されますか?
申請拒否の場合は不許可理由確認のため出入国在留機関のへ同行、再申請等サポートいたします。当社は成功報酬型ですので、ビザを取得できた場合のみ料金をいただいております。
オンライン相談は可能ですか?
可能です。Zoom、Google MeetやLINE等、柔軟に対応いたします。
平日は時間が取りにくいのですが土日や夜間は対応可能ですか?
可能です。お問い合わせフォームに希望日時をご記入ください。
どこの国の言語に対応していますか?
多言語に対応しております。通訳がおりますのでご希望される言語を
お問い合わせフォームにご記載ください。
やさしい日本語にも対応しております。
申請から許可までどのくらいの期間がかかりますか?
ビザの種類や状況によって異なりますので一概には言えません。
面談時にいつまでに必要かお伝えくさい。