特定技能外国人を雇用すると、出入国在留管理庁への届出には「定期届出」と「随時届出」の2種類があり、期限も数え方も異なります。2025年4月の制度改正で定期届出が年1回になったこともあり、古い情報のまま運用して期限を逃してしまう企業が少なくありません。
この記事では、それぞれの期限、提出方法、期限が迫ったとき・過ぎてしまったときの対処法、再発を防ぐ管理方法までを、順を追って解説します。
※本記事は2026年9月時点の情報に基づいています。様式や運用は改正されることがあるため、提出前に出入国在留管理庁の最新の案内をご確認ください。
【結論】特定技能の届出期限は「定期届出は毎年5月31日」「随時届出は事由発生から14日以内」
特定技能の届出期限は、「定期届出は毎年5月31日まで」「随時届出は事由が発生した日から14日以内」の2つを押さえれば大丈夫です。
どちらも届出義務者は、受入れ企業(法令上は「特定技能所属機関」=特定技能外国人を実際に雇用している企業や個人事業主)です。登録支援機関に支援を委託していても、この義務はなくなりません。
期限を過ぎてしまう原因の多くは、「どの届出が、いつまでか」を混同していることにあります。まずは下の早見表で、ご自身の状況を確認してください。
届出期限の早見表
| 届出の種類 | 期限 | 対象・タイミング | 届出者 |
|---|---|---|---|
| 定期届出 | 毎年5月31日まで(4月1日から提出可能) | 前年4月1日〜当年3月31日の受入れ・活動・支援の状況 | 受入れ企業 |
| 随時届出 | 事由発生から14日以内 | 契約の変更・終了、退職、失踪、支援計画の変更など | 受入れ企業(登録支援機関自身の届出は別途) |
定期届出のポイント
- 対象期間は4月1日から翌年3月31日までの1年間です。
- 提出期間は、その翌年の4月1日から5月31日までの2か月間です。
- 5月31日が土日祝日の場合は、翌開庁日が期限になります。たとえば2026年は5月31日が日曜日だったため、期限は6月1日(月)でした。
- 次回は、2026年4月1日〜2027年3月31日分を、2027年4月1日〜5月31日の間に提出します。
- 対象期間中に1日でも特定技能外国人の受入れ実績があれば提出が必要です。
- 年度の途中で退職した外国人がいる場合も、その期間に受入れがあれば対象です。
随時届出のポイント
- 「14日」は、届出が必要な事由が起きた日から数えます。
- 主な事由は次のとおりです。
- 雇用契約の変更・終了
- 外国人の退職や行方不明
- 支援計画の変更
- 1か月以上の未就労(2025年の改正で対象が拡大)
- 定期届出のように「まとめて年1回」とはならず、事由が起きるたびに個別の期限が発生する点が最大の落とし穴です。
2025年4月の制度改正で何が変わったか
「以前は3か月ごとに出していたはず」と感じた方も多いと思います。2025年4月の改正で、定期届出は四半期ごと(年4回)から年1回に変わりました。
主な変更点は次のとおりです。
- 提出頻度:年4回から年1回へ
- 提出の流れ:以前は受入れ企業と登録支援機関がそれぞれ届け出ていたが、改正後は受入れ企業が登録支援機関の作成した書類もまとめて提出
- 書類の様式:受入れ・活動状況の届出書と支援実施状況の届出書が一体化。給与や労働時間は、月ごとの実績ではなく対象期間の平均値などで記載。
- 随時届出:対象の範囲が拡大化。
ただし、負担が軽くなったとは限りません。回数は減りましたが、1年分の状況を正確にまとめる必要があります。また、定期面談(外国人本人との面談)は、従来どおり3か月に1回以上行う必要があります。届出が年1回になったからといって、面談記録の管理を緩めないようにしてください。
ネット上には、四半期ごとの旧制度を前提にした記事がまだ多く残っています。「翌四半期の初日から14日以内」といった記載を見かけたら、古い情報ですのでご注意ください。
定期届出の期限と提出方法(年1回・毎年5月31日まで)

定期届出は、前年4月1日から当年3月31日までの1年分の状況を、翌年5月31日までに、受入れ企業が1回まとめて提出する届出です。「定期届出(定期報告)」とは、特定技能外国人の受入れ状況・活動状況・支援の実施状況を、出入国在留管理庁へ年に1度報告する手続きのことです。
提出期間は約2か月あります。ただし、書類の準備には想像以上に時間がかかります。後半の「主な提出書類」で詳しく触れますが、届出書の本体に加え、企業の適格性を示す添付書類まで求められます。4月に着手して5月上旬までに提出するくらいの余裕を持つことをおすすめします。
対象期間と提出期間:「報告する1年」と「提出する2か月」は別物
定期届出には、「対象期間」と「提出期間」の2つの期間があります。この2つを混同して、期限を勘違いする方が少なくありません。
| 期間 | 意味 | |
|---|---|---|
| 対象期間 | 4月1日〜翌年3月31日 | 報告する内容の期間(1年間) |
| 提出期間 | 翌年4月1日〜5月31日 | 実際に届出を提出できる期間 |
具体例(次回の届出)
- 対象期間:2026年4月1日〜2027年3月31日
- 提出期間:2027年4月1日〜2027年5月31日(月)
- 3月31日で対象期間が終わってから、4月1日以降に提出できるという流れです。3月中に前倒しで出すことはできません。
「うちは10月に外国人を雇い始めたから、来年10月が期限だろう」といった思い込みは危険です。対象期間は受入れ開始日からの1年間ではなく、4月1日から翌年3月31日までの、全企業共通の期間です。
5月31日が土日祝日の場合は「翌開庁日」
5月31日が土日祝日にあたる年は、翌開庁日(入管の窓口が開いている次の平日)が期限になります。
- 2026年は5月31日が日曜日だったため、期限は6月1日(月)でした。
- 2027年は5月31日が月曜日のため、そのまま5月31日が期限です。
ただし、期限の日ぎりぎりに出すのは避けてください。
- 電子届出システムは、期限直前にアクセスが集中して入力や送信に手間取ることがあります。
- 窓口や郵送でも、書類に不備があれば再提出が必要になり、期限に間に合わなくなるおそれがあります。
- 社内の確認や署名の手続きが遅れることもあります。
社内の目標日は「5月中旬まで」に設定しておくと安心です。
届出が必要な企業・不要な企業
提出義務があるのは、対象期間中に1日でも特定技能外国人の受入れ実績がある受入れ企業です。
届出が必要なケース
- 対象期間の途中で入社し、現在も在籍している
- 対象期間の途中で退職し、すでに在籍していない
- 同じ外国人と契約を終了し、期間内に再雇用した(この場合は1名として数えます)
- 特定技能1号から2号へ在留資格を変更した(この場合は2号の人数として数え、1号には含めません)
届出が不要なケース
- 対象期間中に一度も特定技能外国人の受入れがなかった
- 法人が倒産・廃業している
人数の数え方で迷いがちなのは、途中で辞めた外国人の扱いです。すでに退職していても、対象期間内に1日でも在籍していれば1名として計上します。
提出先と提出方法:電子届出システムがおすすめ
提出方法は次の3つです。
- 電子届出システム(オンライン):出入国在留管理庁の専用システムに入力・送信します。
- 郵送:管轄の地方出入国在留管理局へ送ります。
- 窓口持参:管轄の地方出入国在留管理局へ持参します。
提出先(郵送・窓口の場合)は、原則として受入れ企業の本店または主たる事業所の所在地を管轄する地方出入国在留管理局(または支局)です。個人事業主の場合は、住民票上の住所地を管轄する局になります。
3つの中では、電子届出システムをおすすめします。
- 画面上で入力・送信できるため、書類の不備に気づきやすくなります。
- 押印は原則不要で、署名の手間も軽くなります。
- 添付書類の省略要件(後述)の1つが「電子届出で届出を行っていること」です。
注意点として、電子届出システムは事前の利用者登録が必要です。登録には日数がかかるため、5月に入ってから慌てて登録することのないよう、期限のかなり前に済ませておきましょう。
受入れ企業と登録支援機関の役割分担
2025年4月の改正で、提出の流れが変わりました。届出書を提出するのは受入れ企業のみで、登録支援機関は提出者ではなくなりました。
- 登録支援機関は、支援の実施状況などの書類を作成し、受入れ企業に提供します。
- 受入れ企業は、それらを取りまとめて自社の届出書と一緒に提出します。
- 支援の全部を登録支援機関に委託している場合は、その登録支援機関の署名欄(参考様式第3-6号の別紙2)が必要になります。ただし、紙で提出し、かつ支援の全部を1つの登録支援機関に委託している場合は、この署名欄の提出が不要になる例外があります。
つまり、「登録支援機関に任せているから大丈夫」とは言えません。 提出の責任は受入れ企業にあります。登録支援機関からの書類が遅れれば、企業の提出も遅れます。
トラブルを防ぐ具体策
- 登録支援機関には、4月上旬までに書類を提供してもらうようあらかじめ依頼する。
- 契約書や覚書に、書類提供の期日を明記しておく。
- 登録支援機関側は、受入れ企業へ提供期日を前倒しで設定する。
主な提出書類と新様式のポイント
2026年4月以降に提出する定期届出では、新しい様式(参考様式第3-6号)を使います。旧様式(受入れ・活動状況の届出書と、支援実施状況の届出書〔参考様式第3-7号〕の2種類)は使用しません。
主な提出書類
- 受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書(参考様式第3-6号):届出書の本体です。
- 特定技能外国人の受入れ・活動・支援実施状況(別紙1):外国人ごとの活動日数、給与の総支給額、支援の実施状況などを記載します。
- 署名欄(別紙2):受入れ企業や登録支援機関の署名です。
- 受入れ企業の適格性を確認する添付書類:登記事項証明書、決算関係書類、役員の住民票の写し、公的義務の履行を証明する書類などです。
分野や状況によって追加書類が必要になる場合があります。最終的には、出入国在留管理庁の**「提出書類一覧表」と「定期届出作成要領」**で確認してください。
新様式の主な変更点
- 2種類の届出書が1つに統合されました。
- 労働日数、労働時間数、給与の支給総額、昇給率などは、対象期間の平均値で記載します。以前のように、月ごとの実績を書く必要はありません。
- 個人ごとの年間活動日数や給与の総支給額などは、外国人を受け入れている事業所単位で作成します。複数の事業所がある企業は、事業所ごとに分けて作る必要があります。
- 押印は原則不要になりました。
添付書類が省略できる条件
次の条件をすべて満たす企業は、上記4の添付書類の多くを省略できます。
- 同じ年度内に、すでに特定技能外国人を受け入れている
- 過去3年間に、指導勧告書の交付や改善命令の処分を受けていない
- 在留諸申請をオンライン申請、各種届出を電子届出で行っている
- 上場企業、源泉徴収税額が1,000万円以上の団体・個人、3年間継続して受入れ実績があり過去3年間に債務超過がない法人など、一定の基準に該当する
省略する場合でも、誓約書など一部の書類は提出が必要です。自社が省略要件に当てはまるか迷う場合は、独断で判断せず、管轄の入管か専門家に確認してください。
随時届出の期限は「事由発生から14日以内」|届出が必要なケース一覧

随時届出は、特定技能外国人の雇用や支援に関わる「決められた出来事」が起きるたびに、その日から14日以内に、その都度届け出る手続きです。「随時届出」とは、年1回の定期届出とは別に、事由が発生したときにだけ必要になる届出のことです。
定期届出は「毎年5月31日」と決まっているため、カレンダーで管理できます。一方、随時届出には決まった提出日がありません。 事由が起きた日が、そのまま14日カウントの出発点になります。そのため、届出漏れによる期限切れは、定期届出より随時届出のほうがはるかに多く起きています。
なお、「定期届出が年1回になったから、次の定期届出でまとめて報告すればよい」という考えは誤りです。随時届出は、定期届出とは完全に別の義務です。
随時届出が必要になる主なケース(6種類)
受入れ企業(特定技能所属機関)が提出する随時届出は、大きく6種類あります。
| 届出の種類 | 主な事由 | 主な様式 |
|---|---|---|
| ① 雇用契約に関する届出 | 契約内容の変更、契約の終了、契約終了後に在留期限内で同じ企業と再度契約を結んだとき | 参考様式第3-1号 |
| ② 支援計画の変更に関する届出 | 1号特定技能外国人支援計画の内容を変更したとき | 参考様式第3-2号 |
| ③ 支援委託契約に関する届出 | 登録支援機関との支援委託契約を締結・変更・終了したとき | 参考様式第3-3-1号/第3-3-2号 |
| ④ 受入れ困難に係る届出 | 外国人が退職した、または1か月以上活動できない事由が生じたとき | 参考様式第3-4号 |
| ⑤ 基準を満たさなくなったときの届出 | 受入れ企業が、特定技能の受入れに必要な基準を満たさなくなったとき | 参考様式第3-5号 |
| ⑥ 支援計画の実施困難に係る届出 | 1号特定技能外国人支援計画を実施できなくなったとき | 参考様式第3-7号 |
様式番号や提出資料は改正されることがあります。提出前に、出入国在留管理庁の「特定技能関係の申請・届出様式一覧」で最新版を確認してください。
現場で起きやすい具体的な場面
- 昇給や契約期間の更新などで、雇用契約の内容を変えた(①)
- 外国人本人から、退職したいと申し出があった(④)
- 外国人が病気やけがで、1か月以上働けない見込みになった(④)
- 支援責任者や支援担当者が退職し、支援を続けられなくなった(⑥)
- 登録支援機関との契約を解約して、別の機関に切り替えた(③)
- 社会保険料の滞納など、受入れ企業としての基準を満たせなくなった(⑤)
①の「新たな雇用契約の締結」は、雇用契約を終了した後、在留期限内に同じ企業と再度契約を結んだ場合を指します。他社への転職の場面ではない点に注意してください。
行方不明(失踪)の場合は、状況によって必要な届出が変わります。発覚した当日に管轄の入管へ連絡し、どの届出が必要か確認してください。
2025年の改正で広がった対象:「1か月以上の未就労」
2025年4月の改正で、受入れ困難に係る届出(④)の対象が広がりました。 次の2つが新たに対象になっています。
- 在留資格の許可を受けた日から1か月が経過しても、就労を開始していない場合
- 雇用後に、1か月間活動できない事情が生じた場合
以前は、許可が下りてから長期間就労していなくても、届出は必要ありませんでした。今は必要です。
見落としやすい具体例
- 海外から入国する外国人の渡航手続きが遅れ、許可から1か月以内に働き始められない
- 受入れ企業側の都合で、配属先の準備が整わず、就労開始が延びている
- 就労後に長期の入院や療養が必要になった
「そのうち働き始めるから」と放置すると、そのまま期限が過ぎてしまいます。許可日から1か月を、社内のカレンダーに登録しておくことをおすすめします。
14日の数え方:ここを間違えると期限に遅れる
「14日以内」の数え方で、次の4点を押さえてください。
1. 起算日は届出の種類によって異なります
最も多い間違いが、起算日の取り違えです。たとえば受入れ困難に係る届出は、実際に退職した日ではなく、退職や1か月以上の活動不能の原因となる事由が生じた日から数えます。
具体例
- 4月10日:外国人本人から「5月10日で退職したい」と申し出があった
- 起算日は4月10日(申出のあった日)
- 期限の目安は4月24日
退職日の5月10日から数えると、期限を大幅に過ぎてしまいます。
2. 郵送の場合は「消印日」ではなく「到達日」で判断されます
14日目に投函しても、間に合いません。郵送するなら、到着までの日数を見込んで発送してください。
3. まだ起きていない事由を先に届け出ることはできません
事由の発生日が未来の日付になる届出は、提出できません。
4. 14日を過ぎても、あきらめずに提出してください
期限を過ぎても、届出そのものは受け付けられます。遅延した理由を記載した文書を添えて、できるだけ早く提出してください。また、14日以内に是正できた場合でも、届出は必要です。「直したから出さなくてよい」ということはありません。
社内ルールとしておすすめの運用
- 期限は「発生日から14日」ではなく、発生日から10日以内を社内の目標にする。
- 退職の申出、契約内容の変更、長期の欠勤の3つは、発生した当日中に、人事から届出担当者へ共有する流れを決めておく。
届出書の提出者と提出先
提出者は、原則として受入れ企業(特定技能所属機関)です。
提出先は、原則として受入れ企業の本店または主たる事業所の所在地を管轄する地方出入国在留管理局(または支局)です。個人事業主の場合は、住民票上の住所地を管轄する局になります。電子届出システムを使ったオンライン提出も可能です。
書類の準備のコツ
- 届出の種類ごとに、添付書類が異なります。 提出資料の一覧を必ず確認してください。
- 複数人に関わる変更がある場合は、別紙で個別に記載が必要になることがあります。
- 様式は改正されることがあります。昔ダウンロードした様式を使い回さないようにしましょう。
登録支援機関に委託していても、受入れ企業の義務は残る
支援を登録支援機関に全部委託していても、随時届出の義務は受入れ企業に残ります。 登録支援機関が、受入れ企業に代わって届け出ることはできません。
特に注意したいのが、支援計画の変更です。支援の全部を委託していても、届出は受入れ企業から提出する必要があります。
トラブルを防ぐ具体策
- 委託契約の内容に、「事由が生じたら、その日のうちに受入れ企業へ連絡する」という約束を入れる。
- 登録支援機関からの報告を、受入れ企業側の届出担当者が必ず確認する流れをつくる。
- 「登録支援機関から連絡がなかったから知らなかった」は、期限を過ぎた理由として通用しにくいと考えてください。
なお、登録支援機関には、自身の登録内容の変更などについて、受入れ企業とは別の届出義務があります。詳しくは、出入国在留管理庁の登録支援機関向けのページで確認してください。
届出期限が迫っている!間に合わせるための優先順位と最短手順
期限が迫っているときは、「残り日数」から逆算して提出方法を決め、書類は必要最低限から先にそろえるのが最短ルートです。
まず、今日中に次の3つを確認してください。この3つがはっきりすれば、あとはやることが決まります。
- どの届出か(定期届出か、随時届出か)
- 期限はいつか(定期届出なら5月31日または翌開庁日。随時届出なら事由が生じた日から14日以内)
- 電子届出システムの利用者IDを持っているか(持っていなければ、今回は紙での提出を前提に動く)
慌てているときほど、推測で数字を埋めたり、日付を調整したりしないでください。虚偽の届出は、期限に遅れるよりも重大な問題になりかねません。急ぐ場面でも、事実を正確に書くことを最優先にします。
残り日数別の対応:まず「提出方法」を決める
| 残り日数 | 最優先でやること | 提出方法の目安 |
|---|---|---|
| 3日以内 | 今日中に書類を確定し、入管への電話相談と専門家への連絡を同時に進める | 窓口持参(郵送は到達日で判断されるため避ける) |
| 4日〜1週間 | 添付書類の取得を最初に手配し、登録支援機関へ資料の提供期日を切る | 電子届出のIDがあれば電子、なければ窓口持参 |
| 1〜2週間 | 提出書類一覧表を確認し、担当者と作業分担を決める | 電子届出(未登録なら登録を並行して進める) |
| 2週間〜1か月 | 社内の集計、添付書類の取得、登録支援機関との調整を計画的に進める | 電子届出がおすすめ |
窓口持参をおすすめする理由
郵送は、投函日ではなく入管に届いた日で期限が判断されます。配達の遅れがあれば、その分だけ間に合わなくなります。窓口持参なら、その日のうちに受け付けてもらえます。なお、窓口には開庁時間があるため、午後の遅い時間になる前に向かってください。
具体例:定期届出の期限まで残り7日の場合
- 1日目:担当者を確定します。提出書類一覧表と作成要領を確認します。添付書類(登記事項証明書、役員の住民票の写しなど)の取得を、その日のうちに手配します。 取得に日数がかかるため、最優先です。登録支援機関にも、「3日後まで」と期日を切って資料の提供を依頼します。
- 2〜3日目:給与・勤務実績を、給与計算ソフトや賃金台帳から集計し、別紙1の数字を作ります。
- 4日目:添付書類が届いたら、内容を確認します。登録支援機関からの資料もここでそろえます。
- 5日目:届出書を仕上げ、社内で内容を確認します。
- 6日目:提出します。
- 7日目:予備日です。補正の連絡があった場合の対応に使います。
具体例:随時届出の期限まで残り5日の場合
- 当日:どの届出に該当するか、起算日はいつかを確認します。たとえば退職の場合、起算日は退職日ではなく申出のあった日です。
- 翌日:様式を選び、届出書に記入します。提出資料一覧で指定された添付書類を集めます。
- 3日目:内容を確認し、提出します。
- 4〜5日目:予備日です。
最低限そろえるべき書類と、後回しにできるもの
期限が迫ったら、提出そのものに必要な書類を先に、それ以外の整理は後にします。
先にそろえるもの(後回し不可)
定期届出の場合
- 受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書(参考様式第3-6号)
- 別紙1(外国人ごとの活動状況・給与などの情報)
- 別紙2(署名欄)
- 添付書類(受入れ企業の適格性を確認する書類)
- 登録支援機関に支援を委託している場合は、その機関からの資料
随時届出の場合
- 該当する届出書
- 提出資料一覧で指定されている添付書類
添付書類の「省略」が使えるかを、最初に確認する
添付書類の多くは、一定の要件を満たせば省略できます。ただし、その要件の1つが「電子届出で届出を行っていること」です。今回、電子届出のIDがなくて紙で出す場合は、省略が使えず、添付書類をすべてそろえる必要が出ることがあります。取得に日数がかかる書類は、最初に手配してください。
後回しにしてよいもの
- 届出管理表の作成や、社内マニュアルの整備
- 書式の見た目の調整
- 次年度に向けた運用の見直し
これらは、提出が終わってから、落ち着いて取り組めば十分です。
電子届出システムの事前登録がない場合の対処
電子届出システムを使うには、利用者登録と利用申出が必要です。
- 利用者登録:システムにログインするための「利用者ID」を取得する手続きです。
- 利用申出:ログイン後に、特定技能所属機関の届出ができるようにするための手続きです。
注意したい点
- 在留申請オンラインシステムの利用者IDがあっても、届出のための利用申出は別に必要です。
- オンラインで手続きできない場合は、「電子届出システム利用申出書(別記第9号様式)」を作成し、地方出入国在留管理局へ提出する方法もあります。
- 登録や申出が完了するまでの日数は、状況によって異なります。
期限が1週間を切っていて、まだ登録していない場合は、今回は電子届出をあきらめてください。 登録の完了を待っている間に、期限が過ぎてしまうおそれがあります。窓口持参で確実に提出し、電子届出の登録は、提出後にすぐ進めるのが賢明です。次回以降の届出が楽になり、添付書類の省略要件も満たしやすくなります。
電子届出を使う場合の注意点
登録した申込は、1時間に1回(毎時00分)出入国在留管理庁に連携されます。連携されて処理状況が「完了」になると、修正や取下げができなくなります。送信ボタンを押す前に、内容を必ず確認してください。
行政書士・登録支援機関に依頼する場合の目安
「間に合うかどうか」の判断を含めて、相談するのが、実務上いちばん確実です。
依頼先を選ぶときに確認したいこと
- 届出書の作成と提出のどこまでを対応してもらえるか
- 期限に間に合わせるために、最短で何日かかるか
- こちらが用意すべき資料と、その期日
- 費用と、追加料金が発生する条件
費用や所要日数は、事務所や届出の内容によって大きく異なります。 一律の相場を示すことはできませんので、相談の際に見積もりを確認してください。
お願いする際のコツ
- 最初の連絡で、「期限が○日後に迫っている」ことを必ず伝える。
- 資料は、そろっているものから先に送る。全部そろってからではなく、順次送るほうが早く進みます。
- 登録支援機関からの資料が遅れそうなら、その旨も最初に共有する。
なお、提出者は受入れ企業です。 登録支援機関に支援を委託していても、届出の責任は受入れ企業にあります。
入管に事前相談する方法
書類を作る前に、不明点を入管に確認しておくと、手戻りを防げます。
相談先
- 外国人在留総合インフォメーションセンター:0570-013904
- 管轄の地方出入国在留管理局の窓口
電話の前に、次の情報を手元にそろえておくと、話がスムーズです。
- 会社名と所在地
- 届出の種類
- 事由が発生した日(随時届出の場合)
- 提出期限
- 現在の状況(どの書類が足りないかなど)
確認しておきたい3点
- どの提出方法が確実か
- 不足している書類がある場合、どう扱われるか(補正を求められることがあります)
- 期限に遅れそうな場合、何を添えて出せばよいか
ただし、相談したからといって、期限が自動的に延びるわけではありません。 相談はあくまで、間に合わせるための情報収集と考えてください。
提出前の最終チェックリスト
- 届出の種類と期限を、正しく把握している
- 最新の様式を使っている(古い様式ではない)
- 届出書の日付・人数・金額に、誤りや推測がない
- 署名が必要な箇所に、署名がある
- 添付書類は、提出資料一覧の指定どおりにそろっている
- 登録支援機関からの資料が、反映されている
- 郵送なら、期限内に到着する
- 控えを、社内に保管している
期限を過ぎてしまった場合の対処法とリスク
期限を過ぎていても、気づいた時点で、遅延理由書を添えて、できるだけ早く提出することが最善の対処です。届出は遅れても受け付けられます。最悪なのは、「もう遅いから」と放置することです。
まず、落ち着いてください。「期限が切れていた」と気づいたときの焦りは、当然のものです。しかし、ここから先の動き方で、その後の影響は大きく変わります。この章では、今日やるべきこと、理由書の書き方、起こりうるリスク、やってはいけないことを順に整理します。
まず何をするか:6つのステップ
ステップ1:未提出の届出を洗い出す(当日)
どの届出が、いつから未提出なのかを一覧にします。
- 届出の種類(定期届出か、随時届出か)
- 本来の期限
- 現在までの遅れの日数
- 対象の外国人の人数
1件だけ遅れていると思っていたら、実は複数あったというケースは珍しくありません。この機会に、ほかの届出も漏れがないか確認してください。
ステップ2:事実関係を確認する
理由書に書くため、次の点を確認します。
- なぜ遅れたのか(担当者の不在、事由の把握漏れ、登録支援機関からの連絡遅れなど)
- 随時届出なら、事由が発生した日はいつか
- 外国人の現在の状況(在籍中か、退職済みかなど)
ステップ3:届出書と添付書類をそろえる
前章のとおり、最新の様式を使い、提出資料一覧に従って書類をそろえます。遅れているからといって、書類を簡略にしてはいけません。
ステップ4:遅延理由書を添えて、最短で提出する
提出方法は、電子届出システムのIDがあれば電子届出、なければ窓口持参をおすすめします。窓口持参なら、その日のうちに受け付けられます。
ステップ5:入管に連絡・相談する(推奨)
提出前に、管轄の地方出入国在留管理局か、外国人在留総合インフォメーションセンター(0570-013904)に、提出方法を確認しておくと安心です。
ステップ6:控えを保管し、再発防止策を動かす
提出した書類の控えは必ず保管します。あわせて、後述の管理体制づくりに着手してください。
まだ是正が終わっていない事由がある場合
たとえば、受入れ企業としての基準を満たせなくなった場合の届出(基準不適合の届出)で、是正が完了していないこともあります。その場合も、届出日時点の状況を記載して、提出してください。是正が終わるまで待つ必要はありません。
遅延理由書の書き方と記載例
遅延理由書には、決まった書式はありません。 Wordなどで、次の5項目を簡潔に書けば十分です。
- 届出の種類と本来の期限
- 遅延した事実(遅れた日数)
- 遅延の原因(事実をそのまま書く)
- 遅延後の対応(気づいた経緯と、提出に至った経過)
- 再発防止策(具体的な仕組み)
記載例(随時届出の場合)
遅延理由書
○○地方出入国在留管理局 御中
令和○年○月○日
所在地:○○県○○市○○
名称:株式会社○○
代表者:代表取締役 ○○ ○○ ㊞(または署名)下記のとおり、受入れ困難に係る届出が期限を過ぎて提出となりましたので、その理由をご報告いたします。
- 届出の種類:受入れ困難に係る届出(参考様式第3-4号)
- 本来の提出期限:令和○年○月○日
- 実際の提出日:令和○年○月○日(○日の遅延)
- 遅延の原因:令和○年○月○日に、特定技能外国人○○(国籍:○○)から退職の申出を受けましたが、届出を担当する部署への共有が行われず、届出の必要性を認識するのが遅れました。
- 気づいた経緯と対応:令和○年○月○日に、社内の点検で未提出に気づき、直ちに届出書を作成して提出いたしました。
- 再発防止策:退職の申出、契約内容の変更、長期欠勤が生じた場合は、当日中に人事担当者から届出担当者へ共有する運用を定め、届出管理表で期限を管理いたします。
今後は、期限を厳守いたします。
書くときの注意点
- 事実だけを書く。 言い訳や、他者への責任転嫁は書かないでください。
- 原因は具体的に書く。 「うっかりしていました」だけでは不十分です。
- 再発防止策は、実行できるものだけ書く。 書いた以上、実際に運用することが前提です。
- 定期届出の場合も、基本は同じ構成です。
遅れた場合のペナルティ
出入国在留管理庁の資料や専門家の解説によると、届出を怠った場合や、虚偽の届出をした場合には、次のような影響が生じる可能性があります。
| 影響 | 内容 |
|---|---|
| 罰則 | 入管法に基づき、30万円以下の罰金の対象とされるとの解説があります |
| 指導・助言 | 入管法に基づく指導や助言を受けることがあります |
| 受入れ停止 | 届出をしない、または虚偽の届出をすることは、特定技能の受入れ基準に適合しないとされ、受入れができなくなる場合があります |
| 欠格事由 | 重大・悪質な場合は、欠格事由に該当し、その後5年間受入れができなくなる可能性があります |
| 在留審査への影響 | すでに受け入れている外国人の在留期間更新の審査にも、影響が及ぶ可能性があります |
| 書類省略の不可 | 指導勧告や改善命令を受けると、一定期間、定期届出の添付書類を省略できなくなります |
「罰金」や「5年間の受入れ停止」は、遅れたら即座に科されるものではありません。 実際にどのような措置がとられるかは、遅れの程度、理由、悪質性、その後の対応などの個別の事情によって判断されます。
ただし、だからといって軽く考えてはいけません。届出義務を果たしていない状態が続くこと自体が、リスクです。
遅れ方の程度による影響の違い
確認できた範囲では、「何日遅れたらこうなる」という明確な基準は公表されていません。 以下は、一般的な考え方の目安です。
| 遅れ方 | 考えられる状況 | 対応のポイント |
|---|---|---|
| 数日程度の遅れ | 理由が明確で、すぐに提出された場合は、説明しやすい | 遅延理由書を添えて、直ちに提出する |
| 数週間〜数か月の遅れ | 管理体制の不備を指摘される可能性が高まる | 理由書に、具体的な再発防止策を書く。専門家への相談を検討する |
| 長期間の未提出 | 組織的な問題とみなされるおそれがある | 早急に提出し、入管に事前相談する。専門家への相談を強くおすすめする |
| 虚偽の記載・隠蔽 | 最も重く扱われるおそれがある | 正しい内容で速やかに届け出る。必ず専門家に相談する |
遅れの長さよりも、「遅れた後にどう動いたか」が重視されると考えてください。気づいた時点ですぐに動いた記録は、説明の材料になります。
やってはいけないこと
- 放置する。 時間が経つほど、説明が難しくなります。
- 日付を書き換える(バックデートする)。 届出書の日付を、期限内の日付にすることは、虚偽の届出です。
- 理由書なしで提出する。 遅れた事実だけが残ります。
- 事実と異なる理由を書く。 後から矛盾が出ると、信頼を大きく損ないます。
- 外国人本人に責任を転嫁する。 届出の義務は、受入れ企業にあります。本人に不利益な扱いをしてはいけません。
- 登録支援機関の責任にして終わりにする。 提出の責任は受入れ企業にあります。原因の一部が登録支援機関にあっても、理由書には事実を淡々と書きます。
- 「次の定期届出でまとめて報告すればよい」と考える。 随時届出は、定期届出とは別の義務です。
- ほかの届出漏れを確認しない。 1件見つかったら、ほかにもないか点検してください。
旧制度(四半期ごとの定期届出)の時期に、未提出の届出が残っている場合は、放置せず、管轄の入管か専門家に相談してください。
期限切れを繰り返さないための管理方法
届出の期限切れを防ぐ最も確実な方法は、担当者の記憶や注意力に頼らず、「管理表」「担当者と代行者」「情報共有のルール」の3つで仕組み化することです。
届出の遅れは、「うっかり」で起きているように見えて、実際には仕組みの不備が原因のことがほとんどです。
- 退職の申出を受けた現場が、届出の担当者に伝えていなかった
- 担当者が異動・退職して、引き継ぎがされていなかった
- 登録支援機関からの書類が、期限ぎりぎりまで届かなかった
どれも「気をつけよう」と決意するだけでは防げません。この章では、今日から取り入れられる具体的な仕組みを順に紹介します。
届出スケジュール管理表の作り方
最初にやるべきことは、「いつ、何をするか」をExcelやGoogleスプレッドシートにまとめることです。
管理表に入れる項目
| 項目 | 内容の例 |
|---|---|
| 届出・手続きの名称 | 定期届出/随時届出(受入れ困難)/定期面談/在留期間更新 など |
| 対象者 | 外国人の氏名、在留カード番号の下4桁など |
| 起算日・基準日 | 事由が発生した日、在留期限、許可日 など |
| 社内目標日 | 法定期限より前に設定した日 |
| 法定期限 | 定期届出なら5月31日(または翌開庁日)、随時届出なら事由発生から14日以内 |
| 担当者・代行者 | 主担当と副担当の名前 |
| 状況 | 未着手/作成中/提出済/控え保管済 |
年間の基本スケジュール(定期届出)
- 3月31日:対象期間が終了します。この時点の受入れ状況・給与・勤務実績のデータを保存します。
- 4月上旬:提出期間が始まります。登録支援機関へ資料の提供を依頼し、添付書類(登記事項証明書など)の取得を手配します。
- 4月中〜下旬:別紙1の集計と、届出書の作成を進めます。
- 5月中旬:社内の提出目標日です。
- 5月31日:法定期限です。土日祝日の場合は翌開庁日になります。
常時管理する項目
- 随時届出:事由が発生した日から社内目標は10日以内、法定期限は14日以内。
- 定期面談:3か月に1回以上の実施と記録。
- 就労開始の確認:在留資格の許可日から1か月が経過しても就労していない場合は、届出が必要です。許可日から1か月後を管理表に登録します。
- 在留期限:届出とは別ですが、期限の3か月前を目安に準備を始めます。
管理表づくりのコツ
- 法定期限だけでなく「社内目標日」を必ず入れる。 目標日を過ぎたら、上司に報告するルールにします。
- カレンダーアプリのリマインダー機能と連動させる。
- 完成した管理表は、担当者以外も見られる場所に置く。
社内の担当者と役割の決め方
管理表があっても、誰が動くのか決まっていなければ機能しません。 次の3つの役割を決めてください。
- 主担当者:届出書の作成と提出を行う人。
- 代行者(副担当者):主担当者が不在のときに動く人。
- 責任者:進捗を確認し、必要な判断を下す人(経営者または人事部長など)。
属人化を防ぐための具体策
- 手順書を1枚作る。 「どの届出が、いつ、どこに必要か」「必要書類はどこにあるか」「提出後の控えはどこに保管するか」を書き出します。
- 電子届出システムのIDの管理方法を決める。 担当者の異動・退職時に、IDを誰が引き継ぐかを明確にしておきます。
- 過去に提出した届出書と添付書類は、共有フォルダに年度ごとに保管する。 翌年の作成が、格段に楽になります。
- 月に1回、15分の点検日を設ける。 「今月の届出は?」「来月の期限は?」「未提出はないか?」を、主担当者と責任者で確認します。
担当者が突然いなくなっても止まらない状態が、ゴールです。
随時届出の漏れを防ぐ運用
随時届出は、事由が「現場」で起きて、届出は「事務」が行うという構造が、漏れの最大の原因です。現場から事務へ情報が伝わる仕組みを作ってください。
まず、社内で共有すべき「トリガー(きっかけ)」を決めます
次の出来事があったら、その日のうちに届出担当者へ共有するルールにします。
- 外国人から退職の申出があった
- 雇用契約の内容(給与、契約期間、業務内容など)を変更する・した
- 外国人が1か月以上働けない見込みになった(病気、けが、長期休暇など)
- 外国人と連絡が取れなくなった
- 支援責任者・支援担当者が退職・異動した
- 登録支援機関との契約を変更・終了する
- 社会保険料の滞納や労働法令違反など、受入れ基準を満たせなくなるおそれが生じた
共有の方法
- 現場の責任者が使える簡単な報告フォーム(社内のチャット、共有メール、Googleフォームなど)を用意する。
- フォームには、「日付」「外国人の氏名」「何が起きたか」の3項目だけを入力すればよいようにする。
- 現場の責任者向けに、**「この7つが起きたら、当日中に報告」**と書いた1枚の案内を配布する。
起算日を記録するルール
随時届出の起算日は、種類によって異なります(たとえば退職の場合は、退職日ではなく申出のあった日)。共有を受けたら、届出担当者がその場で起算日と社内目標日を管理表に入力するところまでを、1つの流れにしてください。
登録支援機関との連携ルール
支援を登録支援機関に委託していても、届出の責任は受入れ企業にあります。 登録支援機関とは、「何を、いつまでに、どう連絡するか」をあらかじめ決めておくことが重要です。
委託契約や覚書に盛り込みたい項目
- 事由が生じたら、当日中(遅くとも翌営業日まで)に受入れ企業へ連絡する。 退職の申出、長期欠勤、連絡が取れなくなった場合などを、具体的に列挙します。
- 定期届出の資料は、毎年4月上旬までに提供する。 提供期日を明記します。
- 定期面談の実施状況を、毎月(または四半期ごとに)書面で共有する。
- 担当者が変わったときは、速やかに通知する。
- 書類の様式や記入方法の変更があった場合は、共有する。
受入れ企業側でできること
- 登録支援機関からの報告を、届出担当者が必ず確認する流れをつくる。
- 報告が来ない月は、こちらから「今月は特に事由はありませんでしたか」と確認する。「連絡がなかったから、何もなかった」と思い込まない仕組みです。
- 登録支援機関の担当者と、年に1回は打ち合わせの場を設ける。
管理システムや外部委託の活用
社内の努力だけで不安が残る場合は、道具や専門家を使うのも有効です。3つの選択肢を比べてみましょう。
| 選択肢 | 向いている企業 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| Excel・スプレッドシート+カレンダー | 外国人が数名で、担当者が明確な企業 | 費用がかからない。すぐに始められる | 更新を忘れると機能しない。属人化しやすい |
| 特定技能の管理システム | 外国人が多数いる、複数の事業所がある企業 | 期限の自動通知、書類の一元管理が可能 | 費用がかかる。使いこなすまでに時間がかかる |
| 行政書士などの専門家への委託・顧問契約 | 担当者を置けない、または不安が大きい企業 | 制度改正への対応、判断の相談、書類作成の負担軽減 | 費用がかかる。依頼できる範囲は事務所ごとに異なる |
選ぶときの目安
- 外国人が5名以下で、担当者も決まっているなら、まずは管理表+カレンダーから始める。
- 10名以上、または複数の事業所がある、担当者の交代が多いなら、システムか専門家の活用を検討する。
- 制度が改正されたばかりのときは、専門家に相談しながら、社内の運用を整えるのが確実。
専門家に依頼する場合に確認したいこと
- 対応できる届出の範囲(作成のみか、提出まで対応か、期限管理までか)
- 随時届出の判断相談にも対応してもらえるか
- 期限が近い案件への対応の可否
- 費用の体系(都度払いか、月額顧問か)
費用や対応範囲は事務所によって異なります。複数の選択肢を比べ、自社の規模と体制に合う方法を選んでください。
今週中にできる「最初の3つ」
全部を一度に整えるのは大変です。まずは次の3つを、今週中に済ませてください。
- 管理表を作る。 今いる外国人全員の、在留期限・面談の予定・次の定期届出の期限を入力する(1時間程度)。
- 主担当者と代行者を決める。 名前を管理表に書き、本人に伝える(10分)。
- 現場への共有ルールを決める。 「退職の申出があったら当日中に報告」などのトリガーを、現場の責任者に伝える(30分)。
特定技能の届出期限に関するよくある質問(FAQ)
ここまでの章で解消しきれなかった疑問を、Q&A形式で整理します。それぞれ、最初の一文が結論です。
Q1. 定期届出と随時届出は、両方とも必要ですか?
はい、両方必要です。 2つは別の義務であり、片方を出したからといって、もう片方が免除されることはありません。
- 定期届出:年1回、毎年5月31日まで(前年4月1日〜当年3月31日の状況を報告)
- 随時届出:雇用契約の変更・終了、受入れ困難、支援計画の変更など、決められた事由が起きたときに、その日から14日以内
「随時届出を出したから、定期届出では報告済み」ということはありません。また、「次の定期届出でまとめて報告する」という運用も認められません。詳しくは、随時届出の章をご確認ください。
Q2. 対象期間の途中で外国人が退職した場合、定期届出は必要ですか?
必要です。 対象期間(4月1日〜翌年3月31日)に、1日でも受入れ実績があれば、届出の対象になります。
- すでに退職していても、対象期間内に在籍していた期間があれば、1名として数えます。
- 同じ外国人と契約を終了し、期間内に再雇用した場合も、1名として数えます。
- 特定技能1号から2号へ変更した場合は、2号の人数として数えます。
なお、退職した時点では、随時届出(受入れ困難に係る届出など)も別途必要です。退職の申出があった日から14日以内に提出してください。
Q3. 受入れ実績がない年度も、届出は必要ですか?
対象期間中に受入れ実績が全くなければ、定期届出は不要です。 また、法人が倒産・廃業している場合も、提出の必要はありません。
ただし、次の点には注意してください。
- 「受入れ実績がない」とは、対象期間中に、1日も受け入れていないという意味です。年度の途中で1日でも在籍していれば、届出が必要です。
- 判断に迷う場合は、管轄の地方出入国在留管理局へ確認してください。
Q4. 登録支援機関に全部委託していれば、届出はしなくてよいですか?
いいえ、届出の責任は受入れ企業にあります。
- 定期届出:提出するのは受入れ企業です。登録支援機関は、支援の実施状況などの書類を作成して、受入れ企業に提供します。支援の全部を委託している場合は、登録支援機関の署名欄(別紙2)も必要になります(紙で提出し、かつ支援の全部を1つの登録支援機関に委託している場合は例外があります)。
- 随時届出:受入れ企業が提出します。支援の全部を委託していても、登録支援機関が代わりに届け出ることはできないとされています。
つまり、「登録支援機関から連絡がなかった」「任せていた」は、届出の遅れの理由にはなりにくいと考えてください。連携のルールについては、管理方法の章をご参照ください。
なお、登録支援機関自身にも、登録内容の変更などについて、別途の届出義務があります。
Q5. 在留期間の更新期限と、届出の期限は別物ですか?
はい、別物です。 混同しやすいので、区別して管理してください。
| 在留期間の更新 | 届出 | |
|---|---|---|
| 目的 | 外国人本人の在留を継続するための申請 | 受入れ企業が、受入れ・支援の状況を報告する手続き |
| 期限 | 在留期間の満了日まで(申請は、一般に満了日の3か月前から可能) | 定期届出は5月31日、随時届出は事由発生から14日以内 |
| 主な手続き者 | 外国人本人(または申請取次者) | 受入れ企業 |
届出の遅れや漏れが、在留期間更新の審査に影響する可能性があるとの解説もあります。両方を、同じ管理表で管理することをおすすめします。
Q6. 旧制度(四半期ごとの届出)の未提出分が残っています。どうすればよいですか?
放置せず、できるだけ早く、管轄の入管に相談してください。 気づいた時点で動くことが重要です。
- 提出できていない届出があれば、遅延理由書を添えて、速やかに提出するのが基本です。
- 旧制度の様式や扱いについては、現在の取扱いが分かりにくい場合があります。自己判断で対応せず、地方出入国在留管理局か専門家に確認してください。
- あわせて、ほかの届出に漏れがないかも点検してください。
遅延理由書の書き方や、遅れた場合の影響は、「期限を過ぎてしまった場合」の章で解説しています。
Q7. 届出の問い合わせ先は、どこですか?
目的に応じて、次の窓口を使い分けてください。
- 制度や書類の全般的な疑問:外国人在留総合インフォメーションセンター(電話:0570-013904)
- 個別の届出や提出方法:受入れ企業の本店・主たる事業所の所在地を管轄する地方出入国在留管理局(または支局)の窓口
- 電子届出システムの操作:出入国在留管理庁の電子届出システムポータルサイトの案内・操作マニュアル
- 最新の様式・提出書類一覧:出入国在留管理庁の「特定技能関係の申請・届出様式一覧」ページ
問い合わせの前に、会社名、届出の種類、事由の発生日、期限、現在の状況を手元にそろえておくと、話がスムーズです。
Q8. 特定技能2号の外国人も、定期届出の対象ですか?
対象に含まれます。 人数の数え方で、1号から2号へ変更した場合は「2号の人数として数える」と示されていることから、2号も届出の対象範囲に含まれます。ただし、1号の外国人にのみ義務づけられている支援に関する事項は、2号には適用されません。
様式の記載方法などの詳細は、出入国在留管理庁の定期届出作成要領で確認してください。
Q9. 行政書士に、届出の作成や提出を依頼できますか?
依頼できます。 届出書類の作成や、官公署への提出手続きは、行政書士の業務に含まれます。
ただし、次の点に注意してください。
- 届出の義務者は、あくまで受入れ企業です。依頼しても、内容の最終確認と責任は企業にあります。
- 対応できる範囲は、事務所によって異なります。 書類の作成のみか、提出まで対応か、期限管理までか、事前に確認しましょう。
- 資料の提供が遅れると、期限に間に合わなくなるため、依頼は早めに行ってください。
まとめ:届出期限で押さえるべき3つのポイント
- 定期届出は毎年5月31日まで、随時届出は事由発生から14日以内。 両方とも、受入れ企業の義務です。
- 期限が迫っていたら、提出方法と書類の優先順位を決める。 過ぎてしまったら、遅延理由書を添えて、できるだけ早く提出する。
- 担当者の記憶に頼らず、管理表・代行者・共有ルールで仕組み化する。
届出のことで迷ったら、MIRAI行政書士事務所へ
届出は、期限も様式も、状況ごとに判断が必要です。「これは届出の対象か」「今から間に合うか」「何から手をつければよいか」と迷ったときは、一人で抱え込まず、専門家にご相談ください。
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期限が迫っている方、すでに過ぎてしまった方、これから仕組みを整えたい方、どの段階でも歓迎です。まずはお気軽にお問い合わせください。



