特定技能「物流倉庫」新スタート?【2027年】初めての外国人採用

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物流倉庫の外国人採用ガイド

物流倉庫は、2026年1月23日の閣議決定(国の会議で正式に決めること)で、特定技能と育成就労の新しい対象分野に加わりました。 倉庫業者などは、倉庫内の作業を担う外国人を、直接雇用できるようになります。

ただし、2026年11月4日時点で、特定技能の技能評価試験(本試験)の開始時期と、受入れに必須の「協議会」の加入受付は、まだ決まっていません。 「2027年4月から、すぐに雇える」と言い切れる状況ではない点に注意してください。

この記事は、外国人採用が初めての物流倉庫の経営者・人事担当者の方に向けて、次の疑問に順番にお答えします。

  • 自社は受入れの対象になるのか(派遣は使えるのか)
  • どんな外国人材が来るのか(試験・日本語・フォークリフト)
  • 育成就労と特定技能は、どちらから始めるべきか
  • 費用はいくらか。登録支援機関に頼むべきか
  • 結論が出ていない今、何から準備すればよいか

初めての外国人採用なら育成就労ではなく「まず特定技能から」をおすすめします。 理由は第1章で、支援体制の考え方は第4章で、詳しく説明します。

※本記事は2026年11月4日時点の情報です。試験・協議会・開始時期は、今後の発表で変わる可能性があります。申請前に、国土交通省・出入国在留管理庁の最新情報をご確認ください。

特定技能「物流倉庫」とは?結論と全体像

結論|新分野に追加された。ただし開始時期はまだ確定していない

物流倉庫は、特定技能1号と育成就労の両方の対象に追加されました。 一方で、いつから雇えるかは、試験と協議会の準備しだいです。

決まっていることと、まだ決まっていないことを、表で整理します。

区分内容
決定済み2026年1月23日の閣議決定で、特定技能・育成就労の対象に追加
決定済み受入れ見込数(国全体の上限の目安)は、特定技能1号が11,400人、育成就労が6,900人
決定済み育成就労制度の運用開始は2027年4月1日(施行日前の申請受付は2026年9月1日から)
決定済み人材派遣による受入れは不可。直接雇用・フルタイムが前提
未決定技能評価試験(本試験)の開始時期。国土交通省のページでは「調整中」(2026年10月時点)
未決定分野別協議会の設置と、加入受付の時期
未決定特定技能での受入れ開始日。民間の解説には「2027年4月予定」とするものもあるが、公式資料で明記されているのは育成就労の日付

つまり、「2027年4月」は育成就労の運用開始日であり、特定技能の開始日と同じとは限りません。情報を見るときは、どちらの制度の日付なのかを必ず確認しましょう。

新制度の全体像|特定技能と育成就労の違い

育成就労は、技能実習に代わる新しい制度です。 未経験の人を、原則3年かけて育て、特定技能1号の水準に引き上げることを目的としています。その後、特定技能1号に移ることで、さらに通算5年まで働けます。

2つの制度を比べると、次のとおりです。

項目育成就労特定技能1号
目的未経験者を3年かけて育てる試験に合格した人を、即戦力として受け入れる
在留期間原則3年通算5年まで
運用開始2027年4月1日試験・協議会の準備中(開始日は未定)
物流倉庫の受入れ見込数6,900人11,400人
入国時の日本語制度の細目は今後の発表で確認JLPT N4(基本的な日本語を理解できるレベル)またはJFT-Basic A2以上

【専門家の見解】初めての外国人採用なら、まず特定技能から始めることをおすすめします。 理由は2つです。

  1. 育成就労は、まったく新しく始まる制度だからです。 特定技能は2019年4月から運用されており、届出・支援・更新の実務の経験が、行政書士や支援会社に蓄積されています。一方、育成就労は2027年4月が1年目です。実際に運用して初めて分かる点が多く、受入れ企業が手探りになりやすい制度です。
  2. 特定技能は、試験に合格した人を採用できるからです。 未経験者を3年かけて育てる育成就労に比べ、教育の負担を軽くできます。

ただし、物流倉庫の特定技能も、試験と協議会の準備待ちです。そのため、「特定技能を軸に準備を進めつつ、開始日の発表を待つ」という進め方が現実的です。

特定技能1号のみ|2号はない

物流倉庫には、特定技能2号がありません。 特定技能1号は、通算5年が上限です。

このため、現時点で、同じ物流倉庫の仕事を5年を超えて続けられる制度上のルートは確認できていません。今後の運用で変わる可能性があるため、公式の発表をこまめに確認してください。

採用計画を立てるときは、次の点を頭に入れておきましょう。

  • 「5年で入れ替わる前提」で、教育・引き継ぎの仕組みを作る
  • 永住の申請に必要な「就労資格での在留5年」には、特定技能1号の期間が数えられない
  • 家族の帯同は、1号では原則できない

対象業務と受入れ企業の要件|自社は対象か

できる業務・できない業務

物流倉庫分野で任せられるのは、倉庫の中での作業です。 配送(運転)や、事務・清掃だけの仕事は対象外です。

区分具体例
できる業務入庫(荷物を受け入れる)、保管(ピッキング・仕分け・梱包)、出庫(出荷する)
できる業務ハンディターミナルを使った、WMS(倉庫管理システム)の操作や在庫データの入力
できる業務フォークリフトの操作(別途、技能講習の修了が必要)
できない業務事務や清掃だけの仕事
できない業務配送ドライバーの業務(運転は「自動車運送業」分野の対象)
できない業務小売店のバックヤードだけでの作業
できない業務包装されていない食品に、直接触れる作業

採用前に、「この人に任せる仕事の大半が、上の『できる業務』に入るか」を確認しましょう。たとえば、「午前は仕分け、午後は配送トラックの運転」という働き方は、運転の部分が対象外になります。

受入れできる企業の3つのタイプ

受入れができるのは、次の3タイプのいずれかに当てはまる企業です。

タイプ具体例注意点
① 倉庫業者倉庫業の登録を受けた企業が、自社の倉庫で作業する登録を受けていることが前提
② 荷役請負事業者倉庫業者から委託を受けて、倉庫内の作業を請け負う企業委託元との協定書が必要(次の項目で説明)
③ 貨物自動車運送事業者運送の許可を持ち、運賃とは別に料金を受けて、倉庫作業も行う企業運賃とは別に、倉庫作業の料金を受けていること

この3タイプのどれにも当てはまらない場合は、対象外になる可能性があります。 たとえば、メーカーや小売店が、自社の物流センターを自社で運営しているケースです。該当するか迷う場合は、国土交通省の運用要領や、行政書士に確認してください。

派遣は不可|直接雇用・フルタイムが前提

特定技能「物流倉庫」では、人材派遣での受入れは認められません。 外国人を、自社(受入れ企業)が直接雇い、フルタイムで働いてもらうことが前提です。

押さえておきたいポイントは、次の4つです。

  • 派遣会社から、外国人スタッフを1人ずつ受け入れることはできない
  • 日本人と同じ業務をする場合、報酬は日本人と同等以上にする
  • 社会保険に加入させ、労働時間を適切に管理する
  • 倉庫業者から委託を受けて作業する場合は、委託元と「雇用の継続性に関する協定書」を結ぶ(委託契約が終わっても、外国人の雇用が続くよう、共同で責任を持つ約束)

人手が足りないときの、「とりあえず派遣で」という使い方ができない点は、日本人の採用と大きく違います。繁忙期の波は、日本人スタッフや他の仕組みで調整する計画を、先に立てておきましょう。

WMSの利活用と、協議会への報告義務

物流倉庫分野では、WMSを活用していることが、受入れの条件になっています。 WMS(Warehouse Management System)とは、荷物の入出庫や在庫を、システムで管理する仕組みです。

条件になっているのは、次の3つの機能をすべて備えたWMSの利活用です。

  • 入庫管理:荷物がいつ、いくつ入ったかを記録する
  • 在庫管理:どこに、何がいくつあるかを把握する
  • 出庫管理:何をいつ、どこへ出したかを記録する

さらに、協議会に加入してから1年以内に、WMSの利活用の状況を協議会へ報告し、確認を受ける義務があります。

紙やExcelで管理している倉庫は、次の順番で確認しましょう。

  1. 現在の管理方法で、上の3つの機能が揃っているかを確認する
  2. 足りない場合は、システム会社に、導入や機能の追加にかかる期間と費用を問い合わせる
  3. 協議会の加入から1年以内に、報告できるスケジュールを組む

外国人材の要件|試験・日本語・フォークリフト

取得ルート|試験合格ルートと、育成就労からの移行ルート

物流倉庫の特定技能1号には、大きく2つのルートがあります。

ルート内容採用側のイメージ
ルートA:試験合格物流倉庫分野の技能評価試験と、日本語の試験に合格した人人材紹介会社を通して、合格者を探す
ルートB:育成就労からの移行育成就労で働いた後、特定技能1号に切り替える人自社で育てた人を、そのまま特定技能へ移す

ルートBでも、技能評価試験と日本語試験の合格が必要とされています(民間の解説による。制度の細目は、今後の公式発表で確認してください)。「育成就労になれば、自動的に特定技能に進める」わけではありません。

技能評価試験と日本語要件

日本語は、JLPT N4またはJFT-Basic A2以上が目安です。

  • JLPT N4:基本的な日本語を理解できるレベル。ゆっくりな日常会話や、簡単な指示がわかる程度
  • JFT-Basic A2以上:国際交流基金が実施する、生活・仕事で使う基礎的な日本語を測る試験

技能評価試験は、2026年2月末までに試行(テスト実施)が終わりました。しかし、本試験の開始時期は、「調整中」で未定です。

これは採用スケジュールに直接影響します。本試験が始まって合格者が出るまで、人材紹介会社も特定技能の物流倉庫人材を紹介しにくいからです。さらに、合格後も、在留資格認定証明書の審査(一般的に1〜3か月程度)や、ビザの取得、渡航の準備に数か月かかります。「試験開始の発表から、実際に働くまでは、半年前後を見ておく」というつもりで、余裕を持った計画にしましょう。

フォークリフトは別途「技能講習」が必要

フォークリフトを運転するには、日本の法令に基づく講習の修了が必要です。 母国の資格は使えません。

  • 最大荷重1トン以上のフォークリフト:「技能講習」を修了する。未経験者の場合、学科・実技で合計31時間(4〜5日程度)が目安(講習機関によって異なります)
  • 最大荷重1トン未満のもの(電動パレットトラックなど):「特別教育」で操作できる場合がある

注意したいのは、学科試験が日本語で行われる点です。日常会話ができても、「最大荷重」「揚高」「荷重中心」のような専門用語でつまずき、不合格になる例があります。

企業としては、次の準備をしておくと安心です。

  1. 講習機関に、外国人向けのルビ付きテキストや、通訳・サポートの有無を問い合わせる
  2. 講習の費用を、どちらが負担するかを決める
  3. 講習の日を、勤務扱いにするかを決める
  4. これらを、雇用契約書や支援計画に書面で残す

費用負担や勤務扱いをあいまいにしないことが、後のトラブルを防ぎます。

受入れ手続き・スケジュール・支援体制

受入れの流れ

受入れの基本の流れは、次の7ステップです。

  1. 自社が対象か確認する(第2章の3タイプ、直接雇用、WMS)
  2. 協議会に加入する(在留申請の前に加入する必要。この協議会は、まだ設置前)
  3. 人材を募集・選考する(試験合格者、または育成就労からの移行者)
  4. 雇用契約を結び、支援計画を作る(報酬は日本人と同等以上)
  5. 在留資格を申請する(海外から呼ぶ場合は「在留資格認定証明書」、日本にいる人は「在留資格変更」)
  6. 入国・就労を開始する(空港送迎や生活オリエンテーションを行う)
  7. 就労後の届出を続ける(定期的な届出と、変更があったときの届出。頻度は運用要領で確認)

スケジュールの目安|いつ何が起こるか

時期出来事状況
2026年1月23日閣議決定で物流倉庫が追加決定済み
2026年9月1日育成就労の、施行日前の申請受付が開始開始済み(申請前に協議会への加入が必要)
2026年9月18日運用要領別冊(特定技能)が公表されたとする解説あり解説記事による。最新の掲載状況は公式で確認
2026年度中協議会の設置予定(加入受付の時期は未定)
未定特定技能の技能評価試験(本試験)調整中
2027年4月1日育成就労制度の運用開始決定済み

支援体制|自社支援か、登録支援機関への委託か

特定技能1号を受け入れる企業は、「義務的支援 10項目」を行う必要があります。 義務的支援とは、外国人が日本で安心して働くために、法律で定められた10種類のサポートです。主な内容は、次のとおりです。

  • 入国前のガイダンス、空港への送迎
  • 住居の確保と、生活の契約(銀行口座、携帯電話など)の支援
  • 生活オリエンテーション、役所の手続きの同行
  • 日本語を学ぶ機会の提供
  • 相談・苦情への対応、日本人との交流の促進
  • 3か月に1回以上の定期面談

この支援を、自社で行うか、「登録支援機関」に委託するかを選びます。登録支援機関とは、受入れ企業に代わって支援を行う、国に登録された事業者です。

【現場のリアルなアドバイス】登録支援機関への支援料は、年間で見ると多額になるため、自社支援をおすすめします。

自社支援と登録支援機関への委託を、年間コストで比較した詳しいシミュレーションは、次の記事でも解説しています。

▶ 自社支援vs登録支援機関委託|特定技能の支援体制を年間コストで徹底比較シミュレーション

具体的な金額で確認しましょう。委託料の目安は、出入国在留管理庁の調査による平均で、1人あたり月約28,386円と紹介されています。年間にすると、次の金額です。

受入れ人数委託料の年間目安(月額28,386円×12か月)
1人約34万円
5人約170万円
10人約340万円
20人約680万円

さらに、入社時の初期費用として1人10〜20万円が別途かかる場合があります。この料金は、2027年4月以降に値上がりすると予測されています。月額3〜5万円になるとすると、1人あたり年間約36〜60万円、つまり10人で360〜600万円になります。

一方、自社支援の費用は、人数に比例しにくいのが特徴です。目安は次のとおりです。

  • 総務・人事が兼任する場合の追加人件費:年間120〜180万円
  • 専任の担当者(正社員)を置く場合:年間300〜360万円
  • 通訳費用:オンライン通訳なら月数千円〜数万円
  • 多言語資料の作成(初期):10〜30万円

これらは、ご紹介する解説記事(下記リンク)の目安です。この解説記事のシミュレーションでは、10人前後を境に自社支援が有利になるとされています。物流倉庫は、一度に複数人を受け入れるケースが多いため、自社支援を前提に計画する価値があります。

なお、自社支援を行うには、次の4つの要件を満たす必要があります。

  1. 受入れ実績:過去2年間に、就労系の在留資格(技能実習、特定技能、技術・人文知識・国際業務など)の外国人を、適正に受け入れ・管理した実績がある
  2. 支援責任者と支援担当者の選任:各、1名以上(兼任可)。支援担当者は、外国人の直接の上司ではいけない
  3. 外国語での対応体制:母国語などで、面談・相談に対応できる
  4. 支援記録の作成と保管:雇用契約の終了から1年間保存する

初めて外国人を雇う企業は、この1つ目の「受入れ実績」でつまずくことがあります。 その場合は、最初は一部だけを委託する(一部委託)や、実績ができるまで一時的に委託し、後に自社支援へ切り替える道もあります。自社が要件を満たせるかどうかは、専門家に相談して確認するのがおすすめです。

費用・人数上限・採用戦略

採用にかかる費用の内訳(目安)

費用は、「採用時」「毎年」「入社後の教育」の3つに分けて考えると、抜け漏れが防げます。

区分項目目安
採用時人材紹介料・送出し関連費用紹介会社・出身国で異なる(見積りで確認)
採用時在留資格の申請(海外から呼ぶ場合)在留資格認定証明書の手数料はかからない。行政書士への報酬は1人10〜20万円
採用時住居・生活の立ち上げ社宅や借り上げ社宅の初期費用(物件により異なる)
毎年在留期間の更新手数料在留期間1年の場合、窓口33,000円・オンライン27,000円(2026年10月1日〜)
毎年更新手続きを行政書士に頼む場合の報酬1人5〜15万円
毎年支援費用自社支援なら人件費。委託なら月約28,386円/人
入社後フォークリフトの技能講習・特別教育講習機関によって異なる(見積りで確認)

金額を記載していない項目は、紹介会社や講習機関によって大きく変わるためです。紹介会社は3社以上から見積りを取り、「何が費用に含まれるか(渡航費、日本語教育、返金規定など)」を比べましょう。

なお、金額は2026年11月時点の目安です。在留手数料は、在留期間や減額の対象かどうかで変わります。申請前に、出入国在留管理庁の案内で確認してください。

受入れ上限と、他社との人材獲得競争

物流倉庫の受入れ見込数は、特定技能1号11,400人、育成就労6,900人です。 この見込数は、上限として運用されると報じられています。特定技能の数字は、2026年度からの3年間の上限です。

この数字は、日本全体の結果です。物流倉庫を持つ企業は、全国に数多くあります。多くの企業が一気に動くと、採用競争が激しくなる可能性があります。見込数に達すると、受入れが止まる可能性もあるため、次のように、早めにできることを進めましょう。

  • 協議会の加入受付が始まったら、すぐに手続きをとる
  • 紹介会社に、早い段階で「物流倉庫の候補者」の紹介を相談しておく
  • 自社支援の体制や、社宅の確保を先に進めておく

特定技能・育成就労・自動車運送業・既存の在留資格の使い分け

初めてなら、この表で自社に合う選択肢を確認してください。

選択肢向いている企業注意点
特定技能1号(物流倉庫)初めて外国人を雇う企業。試験合格済みの人を、早めに戦力にしたい企業試験・協議会を待つ必要。通算5年が上限で、2号はない
育成就労(物流倉庫)未経験者を長期的に育てる体力があり、制度の運用を見ながら検討できる企業まったく新しい制度。実務の前例が少ない。のちに特定技能へ移るには、試験合格が必要
特定技能1号(自動車運送業)配送ドライバーを確保したい企業倉庫内の作業は対象外。別の分野の要件を確認
永住者・定住者などの在留資格の人今すぐ人手が必要な企業就労の制限はない。在留カードで確認し、ハローワークへ届出

【専門家の見解】 育成就労そのものが2027年から新しくスタートする制度です。制度が固まるまで様子を見て、特定技能で経験を積んだあとに検討するのが、安全な進め方です。

定着率を高める工夫(待遇・日本語・キャリアパス)

特定技能は、同じ分野の中であれば転職できます。 そのため、定着は待遇と職場環境で決まります。具体的には、次のような工夫があります。

  • 報酬を見直す:同じ作業をする日本人の時給・昇給の表と比べ、差がつかないようにする(これは、受入れの条件でもあります)
  • 職場をわかりやすくする:多言語のマニュアルや、ピクトグラム(絵文字の案内)を使う
  • 日本語を学べる時間を用意する:週に1回、勤務時間内に学習の時間をとる
  • 5年間のキャリアパスを示す:例として、1年目はピッキング、2年目はWMS操作とフォークリフト、3年目以降は班長・リーダー候補、といった昇進の道筋を、入社時に示す

企業が今から準備すること

準備チェックリスト

試験と協議会が未定でも、今できる準備はたくさんあります。 次のチェックリストを、上から順に確認してください。

  • 自社が、倉庫業者・荷役請負事業者・貨物自動車運送事業者のどれに当たるか、確認した
  • 外国人に任せたい作業を書き出し、「できる業務」に収まるか確認した(運転・事務・清掃だけは対象外)
  • 派遣ではなく、直接雇用・フルタイムで雇える体制か確認した
  • WMSに、「入庫・在庫・出庫」の3機能がそろっているか確認した
  • 同じ業務をする日本人の賃金表を出し、同等以上の報酬を設定できるか確認した
  • 支援責任者と、直接の上司ではない支援担当者の候補を決めた
  • 母国語や通訳で対応できる体制(通訳・翻訳ツール)を考えた
  • 自社支援・一部委託・全部委託の方針と、年間の予算を決めた
  • 社宅・住居の確保方法を検討した
  • フォークリフト講習の費用負担と、勤務扱いのルールを決めた
  • 国土交通省・出入国在留管理庁の発表を確認する担当者を決めた
  • 行政書士や紹介会社に、一度相談した

情報収集の方法(国土交通省・出入国在留管理庁・協議会)

試験と協議会は未定のため、公式の発表を定期的に確認することが、最も確実な準備です。 確認先は、次の3つです。

  • 国土交通省:物流倉庫分野を所管し、技能評価試験や協議会のお知らせを出します
  • 出入国在留管理庁:特定技能の運用要領、在留手続き、手数料を掲載します
  • 分野別協議会:設置されたあと、加入の案内が出ます

発表があったときは、この記事の「2026年11月4日時点」と見比べて、何が変わったかを確認してください。

待つ間にできる採用活動

特定技能を待つ間も、外国人の採用はできます。 大事なのは、在留資格で就労できるかどうかを確認することです。

  • 在留カードを確認する:永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者のような、身分・地位に基づく在留資格の人は、仕事の制限がなく働けます
  • 働けない在留資格に注意する:「短期滞在」などは就労できません。採用の前に必ず確認します
  • ハローワークへ届出する:外国人を雇い入れたときは、「外国人雇用状況の届出」が必要です(雇用保険に加入する場合は、雇い入れの翻月の10日まで)
  • 求人票を準備する:仕事内容は、倉庫作業(入庫・保管・出庫)を基に、具体的に書きます

よくある質問(FAQ)

特定技能の物流倉庫は、いつから始まりますか?

特定技能での受入れ開始日は、まだ確定していません。 育成就労制度の運用開始は、2027年4月1日です。一方、特定技能は、技能評価試験(本試験)の開始時期と、協議会の加入受付が未定です(2026年11月時点)。民間の解説には「2027年4月予定」と書くものもありますが、公式資料で明記されているのは育成就労の日付です。

物流倉庫で、特定技能2号はありますか?

ありません。 物流倉庫分野は、特定技能1号のみです、1号は通算5年が上限です。家族の帯同も、原則としてできません。

派遣会社から、特定技能外国人を受け入れられますか?

受け入れられません。 物流倉庫分野では、人材派遣での受入れは認められておらず、直接雇用・フルタイムが前提です。

配送ドライバーも、物流倉庫の分野で雇えますか?

雇えません。 物流倉庫分野の対象は、倉庫内の作業です。ドライバーの運転業務は、「自動車運送業」分野の対象です。

育成就労と特定技能、どちらから始めるべきですか?

初めての外国人採用なら、まず特定技能から始めることをおすすめします。 育成就労は、まったく新しく始まる制度です。実務の前例が少ないため、まずは運用の実績がある特定技能で経験を積むのが安全です。ただし、物流倉庫の特定技能も試験・協議会を待つ状況です。第1章の比較表もあわせてご確認ください。

フォークリフトの資格は、母国のものでも使えますか?

使えません。 日本の法令に基づく技能講習(最大荷重1トン以上)や特別教育(1トン未満)を、日本で受ける必要があります。学科は日本語で行われるため、ルビ付き教材や、講習機関への相談をおすすめします。

協議会への加入は、いつ・どうやってするのですか?

協議会は、まだ設置前で、加入受付の時期も未定です。 2026年度中に設置される予定とされています。在留申請の前に加入しておく必要があるため、国土交通省の発表をこまめに確認してください。

すでに雇っている外国人を、物流倉庫の特定技能に切り替えられますか?

在留資格を変更することで、切り替えられる可能性はあります。 ただし、物流倉庫分野の技能評価試験と、日本語要件の合格が必要です。また、「技術・人文知識・国際業務」のように、専門的な業務が前提の在留資格では、単純作業だけの仕事は認められないのが原則です。現在の在留資格で、どこまでの作業が認められるかは、在留資格ごとに異なるため、行政書士に確認してください。

登録支援機関に、必ず委託しないといけませんか?

いいえ、自社で支援を行うこともできます。 現場のアドバイスとしては、年間の委託料が多額になるため、自社支援をおすすめします。ただし、「過去2年間の受入れ実績」などの要件があります。初めての企業は、一部委託から始める道もあります。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

▶ 自社支援vs登録支援機関委託|特定技能の支援体制を年間コストで徹底比較シミュレーション

まとめ|2027年に向けて、今から確認すべきこと

物流倉庫は、特定技能・育成就労の新分野ですが、特定技能の開始時期はまだ確定していません。 だからこそ、「決まっていること」を基に、今から準備を進めておくことが重要です。

区分内容
決まっていること対象業務、受入れ企業の3タイプ、派遣不可、WMSの利活用、日本語要件の目安、受入れ見込数、育成就労の開始日2027年4月1日
まだ決まっていないこと技能評価試験の本試験、協議会の設置と加入受付、特定技能の受入れ開始日

今すぐできる次のアクションを、優先順に紹介します。

  1. 自社が対象かを確認する(第2章の3タイプ、WMS、直接雇用)
  2. 支援体制の方針を決める(専門家のアドバイスとしては、自社支援を前提に検討)
  3. 特定技能を軸に準備する(育成就労は、制度が固まるのを見てから検討)
  4. 国土交通省・出入国在留管理庁の発表を定期的に確認する

専門家(行政書士・登録支援機関)に相談するタイミング

相談のタイミングは、「自社が対象か迷ったとき」と「支援体制を決める前」です。 特に、次のような場合は、早めに相談しましょう。

  • 倉庫業の登録や、委託・請負の関係が複雑で、自社が対象か判断しにくい
  • 自社支援の要件(受入れ実績など)を満たせるかわからない

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この記事の監修者

西脇 清訓

MIRAI行政書士事務所

事務所についてはこちら

代表行政書士

西脇 清訓

プロフィール

2020年行政書士事務所開業以来、国際業務、相続業務、補助金申請・法人設立など、人生と事業の節目に寄り添う専門家として、実務経験と豊富な知識を活かし、多くのお客様の課題解決に貢献してまいりました。

近年増え続けている外国人採用企業様への支援体制を強化し、中国人スタッフや多言語対応スタッフと共に、各種VISA申請をサポートしております。

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  5. 結果のご報告
  6. 清算・アンケート
※「1.お問い合わせ」から「6.結果報告」までの期間はビザの種別によって異なります。

よくあるご質問

就労ビザと特定技能ビザの違いは何ですか?
特定産業の人手不足を解消するための外国人を雇用するためのビザが特定技能ビザなのに対し、就労ビザには学歴、専門的な知識が求められることがあります
もっと詳しく知る
ビザは自分でとれますか?
申請すること自体は可能ですが ビザ取得は手続が煩雑で、申請ミスがあれば却下されるというケースもあります。確実に取得したい場合は行政書士にお任せください。もっと詳しく知る
ビザの更新手続の流れと必要書類は?
在留期間満了前に申請する必要があります。ビザによって必要書類はことなりますの事前にしっかりと確認をしておくこと重要です。もっと詳しく知る
国際結婚の手続は?
国際結構をして一緒に日本で住むためには配偶者ビザの取得が必要になります。
配偶者ビザの申請拒否を受けると再申請は非常に難しくなりますので、慎重な申請が必要です。もっと詳しく知る
外国人を雇用する際の手続は?
ケースごとに異なりますが、一例をあげますと①採用計画②募集③選考④就労ビザ取得⑤雇用契約 という流れです。採用計画の時点で必要なビザを策定する必要があります。もっと詳しく知る
外国人を雇用する際の注意事項は?
雇用する外国人の業務内容とビザ(在留資格)が合致している必要があります。合致しない場合は雇用できません。もっと詳しく知る
外国人技能実習生を受け入れるには?
技能実習計画を作成し外国人技能実習機構の認定を受ける必要があります。もっと詳しく知る
申請拒否された場合、料金は返金されますか?
申請拒否の場合は不許可理由確認のため出入国在留機関のへ同行、再申請等サポートいたします。当社は成功報酬型ですので、ビザを取得できた場合のみ料金をいただいております。
オンライン相談は可能ですか?
可能です。Zoom、Google MeetやLINE等、柔軟に対応いたします。
平日は時間が取りにくいのですが土日や夜間は対応可能ですか?
可能です。お問い合わせフォームに希望日時をご記入ください。
どこの国の言語に対応していますか?
多言語に対応しております。通訳がおりますのでご希望される言語を
お問い合わせフォームにご記載ください。
やさしい日本語にも対応しております。
申請から許可までどのくらいの期間がかかりますか?
ビザの種類や状況によって異なりますので一概には言えません。
面談時にいつまでに必要かお伝えくさい。