特定技能2号の外国人は、要件を満たせば永住許可を申請できます。一方で、特定技能1号の在留期間は永住の「就労資格5年」に数えられないため、1号のままでの永住申請は不可能です。
永住許可申請では、「10年以上の在留」「就労資格で5年以上」「安定した収入」「納税・社会保険の履行」などが総合的に審査されます。さらに2026年10月1日からは永住許可の手数料が20万円に引き上げられ、ガイドラインも改訂されています。
自社の特定技能外国人に長く働いてほしい企業の方、そして永住を考えている外国人本人の方に向けて、この記事では次の点を整理します。
- 特定技能2号から永住できる仕組みと、最短ルート
- 永住許可の要件と、在留年数の数え方(具体例つき)
- 申請手続き・費用・審査期間
- 企業が気をつけること(離職リスク、支援の範囲、不許可になりやすいケース)
※本記事は2026年10月26日時点の情報をもとにしています。永住許可のガイドラインや手数料は変更される場合があるため、申請前に出入国在留管理庁の最新情報をご確認ください。
特定技能2号から永住は可能?結論と全体像
結論|特定技能2号なら永住申請できる。特定技能1号だけでは基本的に不可
特定技能2号で在留している外国人は、永住許可の申請対象になります。永住許可に関するガイドラインは、原則として「引き続き10年以上日本に在留し、そのうち就労資格(技能実習と特定技能1号を除く)または居住資格で5年以上在留していること」を求めています。
特定技能1号は、この「就労資格5年」の計算から除かれています。しかも1号は通算5年が上限です。そのため、永住を目指す場合は、特定技能2号への移行が事実上の前提になります。
ただし、次の点は誤解しやすいので注意してください。
- 2号になった直後に永住申請できるわけではない(2号での5年の在留年数が必要)
- 年数を満たしても、許可が保証されるわけではない(素行・収入・納税などの審査がある)
- 2026年に手数料・審査基準が大きく変わった
特定技能1号・2号・永住者の違い
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 | 永住者 |
|---|---|---|---|
| 在留期間の上限 | 通算5年 | 上限なし(更新制) | 上限なし |
| 更新 | 必要 | 3年・1年・6か月ごとなどに更新 | 在留期間の更新は不要(在留カードは7年ごとに更新) |
| 就労できる範囲 | 特定産業分野の指定業務 | 特定産業分野の指定業務 | 制限なし |
| 家族の帯同 | 原則不可 | 配偶者・子は可能 | 家族の状況により別途 |
| 受入れ企業の支援義務 | あり(登録支援機関への委託も可) | なし | なし |
| 永住許可の年数への算入 | 算入されない | 算入される | ― |
2号になると、在留期間の上限がなくなり、家族を呼び寄せることも可能になります。2号の家族帯同については、特定技能外国人の家族帯同|2号取得後の配偶者・子の在留資格と呼び寄せ手続きで詳しく解説しています。
なお、2号は更新を続ければ長く日本で働けますが、更新のたびに審査があり、就労できるのも特定産業分野の業務に限られます。永住者になると、更新が不要になり、職種の制限もなくなります。これが、2号と永住の大きな違いです。
永住までの最短ルート
最短で永住を目指す場合の基本の流れは次のとおりです。
- 特定技能1号で就労する(最長5年)
- 分野ごとの2号評価試験などに合格し、必要な実務経験を満たして、特定技能2号へ移行する
- 2号で就労を続け、「引き続き10年以上の在留」「就労資格で5年以上」を満たす
- 納税・社会保険・収入などを整え、永住許可を申請する
例えば、1号で5年、2号で5年在留し、その間の在留が途切れていなければ、10年の要件を満たす経路になります。ただし、10年たてば自動的に許可されるわけではありません。
また、入管庁は2026年8月、特定技能2号の1回の許可で付与できる在留期間に「5年」を加える省令改正案を公表しました(施行は来年1月の方針と報じられています)。永住許可の審査では、他の就労資格とのバランスが意識されているとされるため、今後の運用に注意が必要です。
特定技能2号で永住許可を受けるための要件
永住許可の3つの基本要件(素行善良・独立生計・国益適合)
永住許可を受けるには、入管法に定められた次の3つの要件を満たす必要があります。
- 素行が善良であること:法律を守り、日常生活でも社会的に非難されない生活をしていること。犯罪歴のほか、交通違反や、在留資格に関する届出の遅れなども見られます。
- 独立の生計を営むに足りる資産または技能があること:日常生活で公共の負担にならず、将来にわたって安定した生活が見込めること。
- その者の永住が日本国の利益に合致すること:次の項目で説明する在留年数に加え、納税や社会保険料の納付などの公的義務をきちんと果たしていること。
これらは「2号だから」緩和されるものではなく、他の就労ビザの人と同じ基準で審査されます。
最重要|「10年在留+就労資格5年」の数え方
特定技能2号の永住申請で、最も重要でつまずきやすいのが年数の数え方です。ガイドラインの基本は次の2つです。
- 原則として、引き続き10年以上日本に在留していること
- そのうち、就労資格または居住資格で、引き続き5年以上在留していること
ポイントは、「10年」と「就労資格5年」で数える範囲が違うことです。
- 10年の在留には、技能実習や特定技能1号の期間も含めて数えられます。
- 就労資格5年からは、技能実習と特定技能1号が除かれます。2026年10月の改定では、育成就労、企業内転勤、一部の特定活動も就労資格から除かれると解説されています(最新のガイドラインで要確認)。
- 「引き続き」とは、在留が途切れていないことを指します。長期の出国があると、年数がリセットされる場合があります。
具体例で見てみましょう。
| ケース | 在留の流れ | 永住申請の目安 |
|---|---|---|
| A:1号から2号へ移行 | 特定技能1号5年 → 特定技能2号5年 | 在留10年・2号5年。年数の面では要件を満たす経路 |
| B:技能実習から | 技能実習3年 → 特定技能1号5年 → 特定技能2号 | 8年目に2号へ。2号が5年に達する13年目ごろが、就労資格5年を満たす目安 |
| C:2号に移行したばかり | 特定技能1号5年 → 特定技能2号1年 | 在留6年・2号1年のため、年数が足りない |
ケースBのように、技能実習から特定技能に進んだ場合は、永住申請までに10年以上かかることもあります。また、他の就労資格(技術・人文知識・国際業務など)での在留期間がある場合は、その期間が就労資格として数えられる場合があります。個別の在留歴は、在留カードや在留履歴で正確に確認してください。
在留期間「3年」が付与されているか
実務上、永住申請の時点で、現在の在留資格に最長の在留期間が付与されていることが求められます。特定技能2号は、現在のところ最長が「3年」のため、申請時に「3年」が付与されている状態が目安とされています(行政書士の解説による実務上の運用で、条文上の明文基準ではありません)。
「1年」の在留期間のままでは、申請が通りにくいとされています。2号に移行した直後は「1年」が付くことも多いので、更新で「3年」を得てから申請するのが現実的です。
2号に「5年」を新設する省令改正案が出ていますが、成立・施行後は「最長の在留期間」の考え方が変わる可能性があります。この点は、運用が公表された時点で確認してください。
2026年のガイドライン改訂で変わった審査ポイント
永住許可のガイドラインは2026年に改訂され、審査の視点が増えました。解説されている主な内容は次のとおりです。
| 項目 | 改訂前 | 改訂後 |
|---|---|---|
| 収入 | 年収の水準は記載なし | 世帯年収が、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達しているか |
| 年金 | 見込額は記載なし | 将来の年金の見込額が一定の水準に達しているか |
| 日本語能力 | 記載なし | 日本語教育の参照枠でB1相当以上 |
| 出国日数 | 記載なし | 過去10年以内に、合理的な理由なく1回で半年以上、または通算2年6か月以上不在にした場合は、原則マイナス評価 |
| 税金・社会保険料 | 納期限内に納めていない場合はマイナス評価 | 過去の滞納処分なども原則マイナス評価。世帯単位で審査 |
| 学齢期の子の就学 | 記載なし | 小学校・中学校に通学しているか |
適用時期は項目により段階的とされています。申請時点の入管庁の資料で、必ず最新の内容を確認してください。
従来から、実務上は年収300万円程度が目安とされ、扶養する家族が増えるごとに加算されると説明されてきました。今回の改訂で、世帯の収入水準を見るという考え方が明文化されたことになります。特定技能2号は、報酬が日本人と同等以上であることが前提の在留資格のため、まずは適正な給与体系になっているかを確認しましょう。
納税・社会保険などの公的義務の履行
永住審査では、公的義務の履行が強く見られます。具体的には次の項目が確認されます。
- 住民税・所得税などの税金を、納期限内に納めているか
- 国民年金または厚生年金の保険料を納めているか
- 健康保険(社会保険または国民健康保険)に加入し、保険料を納めているか
- 住所変更や所属機関の変更などの届出を、期限内に行っているか
特に注意したいのが、会社が社会保険に加入させていなかった期間や、保険料の納付が遅れた期間です。本人の責任でなくても、審査上はマイナスに見られる場合があります。企業は、社会保険に適正に加入させ、保険料を確実に納付することが、従業員の永住申請の前提になります。実務上は、直近2年分程度の納付状況を確認される運用が一般的です。
特定技能1号から2号、そして永住までのロードマップ
特定技能2号への移行条件(試験・実務経験・対象分野)
永住を目指すには、まず2号への移行が必要です。2号への移行では、主に次の2つが求められます。
- 技能水準の証明:分野ごとの特定技能2号評価試験、または技能検定1級などへの合格
- 実務経験:分野ごとに定められた、班長・職長など複数の作業員を指導・監督する立場での経験(建設分野では0.5〜3年など、分野により異なります)
日本語については、現行制度では全分野一律の要件ではありませんが、2027年4月1日からは、原則として日本語教育の参照枠でB1相当以上の日本語能力が求められる予定とされています(適用時期や対象となる試験は、申請時点の分野別運用方針で要確認)。
2号の対象分野は、現在、次の11分野です。
建設/造船・舶用工業/ビルクリーニング/工業製品製造業/自動車整備/航空/宿泊/農業/漁業/飲食料品製造業/外食業
介護、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業などは、現時点では2号の対象に含まれていません。自社の分野が対象かどうかは、まず確認しておきましょう。
モデルケース別タイムライン
2号に至るまでの経路ごとに、永住申請の目安を整理します。
| 経路 | 特定技能の期間 | 永住申請が見えてくる時期の目安 |
|---|---|---|
| 1号から入国して2号へ | 1号5年 → 2号 | 入国から10年目以降。2号での就労が5年に達する時期 |
| 技能実習から1号、2号へ | 技能実習3年 → 1号5年 → 2号 | 入国から13年目ごろ。就労資格5年が2号で数えられるため |
| 育成就労から1号、2号へ | 育成就労(2027年開始予定) → 1号 → 2号 | 技能実習と同様に、育成就労と1号の期間は就労資格5年に数えられない |
いずれの経路でも、「2号での在留期間が長いほど有利」という点は共通しています。2号への移行を早めるほど、永住申請に近づきます。
2号への移行を失敗させないポイントと企業の関わり方
1号の在留期間は通算5年が上限です。2号への移行がうまくいかないまま5年が近づくと、帰国するか、他の在留資格へ変更するしかなくなります。逆算して準備することが大切です。
企業ができる主な支援は次のとおりです。
- 実務経験の証明のため、班長・職長などの役割に就かせ、その経歴を書面で残す
- 試験日程から逆算して、1号の在留期限の1年以上前から準備を始める
- 日本語学習や試験対策の時間・費用を支援する
- 在留期限の4か月前を目安に、更新・変更の準備を始める
2号は、1号と異なり、受入れ企業の支援計画の策定・実施義務がありません。その分、本人が自分で手続きを管理する場面が増えます。企業が書類面でサポートしてくれることは、本人の安心感にもつながります。
永住許可の申請手続き・費用・審査期間
申請の流れと必要書類
永住許可申請は、住所地を管轄する地方出入国在留管理局に、本人(または申請取次行政書士)が申請します。大まかな流れは次のとおりです。
- 要件を満たしているか確認する(入管庁のチェックシートも参考になります)
- 書類を集める
- 管轄の出入国在留管理局に申請する
- 審査(追加書類の提出を求められる場合があります)
- 許可後、手数料を納付して在留カードを受け取る
必要書類は、申請人の状況によって異なりますが、一般に次のようなものが求められます。
- 永住許可申請書、写真、理由書
- 身元保証書(身元保証人は、日本人または永住者が一般的)
- 住民票(世帯全員)
- 在職証明書、雇用契約書、給与明細などの収入・就労を示す書類
- 住民税の課税証明書・納税証明書(就労資格の場合、直近5年分が求められるのが一般的)
- 国民年金・厚生年金、健康保険の納付を示す書類
- パスポート、在留カードの写し
書類の種類・期間は変更される場合があるため、申請前に入管庁の最新の案内を確認してください。会社が準備する在職証明書や給与関係書類は、早めに発行できるようにしておくとスムーズです。
手数料は20万円に|2026年10月1日改定の影響
2026年10月1日から、永住許可申請の手数料は1万円から20万円に引き上げられました。法律上の上限は30万円とされ、実際の金額は政令で20万円と定められています。
在留資格の変更・更新の手数料も、これまでの一律6,000円から、許可される在留期間に応じた段階制に変わりました。窓口申請の場合の例は次のとおりです。
| 許可される在留期間 | 窓口申請の手数料 |
|---|---|
| 3か月以下 | 10,000円 |
| 1年 | 33,000円 |
| 1年超3年未満 | 48,000円 |
| 3年以上5年未満 | 64,000円 |
| 5年以上 | 75,000円 |
オンライン申請では、一部の区分で割引が適用されます。減額・免除の対象となる場合もあるため、対象者かどうかは入管庁の案内で確認してください。
費用の負担は小さくありません。永住申請の時点で、手数料に加えて、行政書士に依頼する場合は報酬も必要になります。家族も同時に申請する場合は、世帯全体の負担が大きくなる点も、事前に本人と共有しておきましょう。会社が費用を負担するかどうかは、会社の方針で決めるものですが、後のトラブルを防ぐため、書面で取り決めておくと安心です。
審査期間の目安と申請中の在留
永住許可の標準処理期間は、4〜6か月が目安とされています。ただし、混雑状況や追加資料の提出などで、これより長くなることもあります。
審査中に在留期限が来る場合は、期限までに更新申請も必要になる点に注意してください。永住申請をしていても、現在の在留資格の期限が自動的に延びるわけではありません。更新が必要な時期に重なる場合は、行政書士や入管に早めに相談しましょう。
配偶者・子どもの在留資格と、家族も永住できるのか
2号保持者の配偶者と子は、「家族滞在」の在留資格で日本に在留できます。1号では原則として認められなかった家族の帯同が、2号では可能になります。
家族の永住申請は、本人とは別の審査になります。家族自身の在留歴や、扶養者である本人の収入・納税状況などが審査の対象です。
家族の呼び寄せ方(在留資格認定証明書の手続き、必要書類、来日後の住民登録や就学など)は、別の記事で詳しくまとめています。家族と一緒に暮らしながら永住を目指したい方は、次の記事もあわせてご覧ください。
▶ 特定技能外国人の家族帯同|2号取得後の配偶者・子の在留資格と呼び寄せ手続き
企業(雇用主)が知っておくべきこと
永住許可後は転職・独立が自由になる|離職リスクとの向き合い方
永住者になると、就労の制限がなくなります。職種や勤務先を自由に選べるため、「永住を取ったら辞めてしまうのでは」と心配する企業は少なくありません。
実際、永住許可は本人の権利であり、会社が妨げることはできません。ただ、特定技能2号の段階でも、同じ分野内であれば転職は可能です。永住の有無にかかわらず、定着してもらえるかどうかは、日頃の待遇や職場環境によって決まります。
永住を支援することは、「この会社で長く働きたい」と感じてもらう強いきっかけになります。実際に、家族と日本で暮らしたい、将来の見通しを立てたいという気持ちは、特定技能の外国人にとって大きな動機です。
定着につなげるために、次のような取り組みが効果的です。
- 2号移行と永住までのキャリアパスを、本人と共有する
- 昇給・役職(班長・職長など)の見通しを示す
- 家族の生活(住居、子の教育、医療)についても相談に乗る
企業ができる支援と、やってはいけないこと
企業ができる支援
- 社会保険(健康保険・厚生年金)への適正な加入と、保険料の確実な納付
- 在職証明書、雇用契約書、給与明細、源泉徴収票などの迅速な発行
- 日本語学習や、2号試験の対策への支援
- 行政書士など専門家の紹介、申請日程の調整
やってはいけないこと
- 永住申請を理由とした、不当な拘束や退職の制限
- パスポートや在留カードの預かり
- 実態と異なる内容の書類の作成(虚偽の在職証明など)
- 費用の一方的な天引きや、返還を前提とした貸付の強要
書類に虚偽があると、本人の永住申請が不許可になるだけでなく、企業側も入管法上の責任を問われるおそれがあります。
特定技能2号の受入れ企業の義務と、1号との違い
2号では、1号で必須だった支援計画の策定・実施義務はありません。ただし、受入れ企業としての義務がなくなるわけではありません。
- 報酬は、日本人と同等額以上であること
- 労働関係法令・社会保険関係法令を守ること
- 在留資格の更新時にも、雇用条件や企業の適正性が審査されること
企業側に不備があると、本人の更新や永住の審査にも影響します。2号になっても、適正な雇用管理を続けることが大切です。
不許可になりやすいケース
永住申請で不許可となりやすい主なケースは次のとおりです。
- 税金・年金・健康保険料の未納や、納付の遅れがある
- 在留期間が「1年」のまま申請している
- 過去に入管法違反や、交通違反の繰り返しがある
- 長期の出国があり、在留年数や出国日数の評価が不利になる
- 収入が不十分、または不安定である
- 申請書類の内容に不整合や不備がある
不許可になった場合は、入管で理由の説明を受けることができます。理由を踏まえ、原因を解消してから再申請するのが基本です。ただし、再申請でも同じ理由で不許可になることがあるため、専門家に相談したうえで進めましょう。
よくある質問(FAQ)
特定技能2号になったらすぐ永住申請できますか?
いいえ、すぐには申請できません。永住申請には、原則として引き続き10年以上の在留と、就労資格での5年以上の在留が必要です。実務上は、2号での在留が5年以上あり、在留期間「3年」が付与されていることが目安とされています。2号に移行した直後は、年数が足りないのが一般的です。
特定技能1号の期間は永住の年数に含まれますか?
「10年」の在留年数には含まれますが、「就労資格で5年以上」の年数には含まれません。1号の期間は、後者の計算から除かれています。たとえば、1号5年+2号5年で在留が10年になれば、年数の面では要件を満たす経路になります。
技能実習・育成就労からの通算はどうなりますか?
技能実習や育成就労の期間も、10年の在留年数には数えられます。一方で、就労資格5年の計算からは除かれます。そのため、技能実習から特定技能に進んだ場合は、永住申請までに10年以上かかることが多くなります。
2号の在留期間が1年でも申請できますか?
申請自体はできますが、実務上は、最長の在留期間(現在は3年)が付与されていることが求められるとされています。「1年」のままでは許可されにくいため、更新で「3年」を得てから申請するのが現実的です。なお、2号に「5年」を新設する省令改正案が出ており、今後の運用に注意が必要です。
永住申請の途中で転職してもよいですか?
特定技能は、同じ分野内であれば転職できます。ただし、申請中に所属先が変わると、収入や雇用の安定性の確認のため、書類の追加を求められることがあります。また、転職後は届出が必要です。申請中に転職を予定している場合は、事前に専門家へ相談しておきましょう。
永住許可を取った後、会社を辞めたらどうなりますか?
永住者は、会社を辞めても在留資格を失いません。就労の制限もないため、別の仕事に就くことも、独立することも可能です。ただし、永住者でも、長期の出国や重大な法令違反などがあると、在留資格が取り消されることがあります。
不許可になった場合、再申請できますか?
再申請は可能です。入管で不許可の理由を確認し、収入・納税・書類の不備などの原因を解消してから申請し直すのが基本です。短期間での再申請でも、原因が解消されていなければ、同じ結果になる可能性があります。
永住以外の選択肢はありますか?
永住の要件に届かない場合も、特定技能2号を更新しながら就労を続けることは可能です。また、高度専門職のポイントが基準を満たせば、より短い在留年数で永住を申請できる制度もあります。学歴・職歴・年収などによって条件が変わるため、自分に合う在留資格については専門家に相談してください。
特定技能2号の永住許可率は公表されていますか?
特定技能2号に限った永住許可の件数や許可率は、確認できた範囲では入管庁から公表されていません。
特定技能2号の在留者数はまだ少なく、永住申請に必要な年数(2号での在留5年など)を満たす人がごく限られます。そのため、そもそも申請件数が少ない可能性があります。ただし、これはあくまで推測であり、裏付けとなる統計は確認できていません。最新の統計は、出入国在留管理庁の出入国管理統計などでご確認ください。
家族の呼び寄せについては、特定技能外国人の家族帯同|2号取得後の配偶者・子の在留資格と呼び寄せ手続きもご覧ください。
まとめ|今日から確認すべきこと
特定技能2号の外国人は、永住許可を申請できます。1号の期間は就労資格5年に数えられないため、永住には2号への移行が欠かせません。
- 永住の原則は「引き続き10年以上の在留」+「就労資格5年以上」
- 実務上は、2号で5年以上在留し、在留期間「3年」を得てから申請するのが目安
- 2026年は、手数料が20万円に上がり、収入・年金・日本語などの審査視点も加わった
- 企業は、社会保険の適正加入と書類の発行、2号移行の支援で、従業員の永住を後押しできる
永住を目指す従業員のためのチェックリスト
- 日本に在留してきた期間は、途切れず10年以上になっているか
- そのうち、特定技能2号など就労資格での在留は5年以上あるか
- 現在の在留期間は「3年」か
- 住民税・所得税を、納期限内に納めているか
- 年金・健康保険に、途切れなく加入して納めているか
- 収入は、世帯の状況に照らして十分で、安定しているか
- 長期の出国(半年以上など)が、過去10年にないか
- 日本語能力は、B1相当を目指せているか
- 身元保証人になってくれる人はいるか
- 手数料20万円を含め、費用を準備できているか
専門家(行政書士)に相談するタイミングと選び方
永住許可の要件は、個別の在留歴や家族構成、収入などで判断が変わります。申請の1〜2年前を目安に、事前に相談することをおすすめします。早めに確認すれば、足りない要件(納税の履行、在留期間、収入など)を、計画的に整えられます。
行政書士を選ぶときは、次の点を確認しましょう。
- 永住許可申請や特定技能の取り扱い実績があるか
- 2026年の制度変更(手数料・ガイドライン改訂)に対応しているか
- 外国人本人と、言語面でやり取りできるか
- 費用の内訳が明確か


