製造3分野の特定技能(工業製品製造業)|17業務区分の仕事内容と求人・給与を徹底解説【2026年10月版】

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監修:MIRAI行政書士事務所 代表行政書士 西脇 清訓 / 最終更新:2026年10月8日

「製造業で特定技能の外国人を採用したいけど、工業製品製造業って具体的にどんな仕事ができるの?」

工業製品製造業分野は、2022年5月に旧3分野(素形材産業・産業機械製造業・電気電子情報関連産業)が統合され、2024年3月に現在の名称へ変更されました。さらに2026年1月23日の閣議決定を受け、2026年6月1日から業務区分が10区分から17区分へ、受入れ可能な事業所の産業分類が49分類から76分類へ拡大しています。受入見込数は199,500人で、育成就労の119,700人と合わせると319,200人。全分野の中で最大規模です。

この記事でわかること:
・工業製品製造業の制度概要と最新の受入見込数・在留者数
・17業務区分の仕事内容と、2026年6月の拡大ポイント
・技能評価試験(JAIM実施)と、在留申請で使う書類の最新ルール
・JAIMの役割・会費と受入企業が知っておくべき手続き
・給与水準・キャリアパスと特定技能2号、育成就労制度への備え

工業製品製造業の特定技能とは?2026年10月時点の制度概要

日本の製造工場の前に立つ特定技能外国人労働者

制度の経緯:3段階の変更

時期内容
2022年5月素形材産業・産業機械製造業・電気電子情報関連産業の3分野が1分野に統合
2024年3月閣議決定により「工業製品製造業」へ名称変更。紙器・段ボール箱製造など新たな業務区分を追加(10区分)
2026年1月23日閣議決定で業務区分を17区分、産業分類を76分類へ拡大。2026年6月1日施行

受入見込数と在留者数

項目数値時点
特定技能1号 在留者数62,033人(速報値)2026年6月末
特定技能2号 在留者数1,529人(速報値)2026年3月末
特定技能1号 受入見込数199,500人(充足率31.1%)2026年1月閣議決定(2029年3月末まで)
育成就労 受入見込数119,700人2026年1月閣議決定

1号の在留者数は1年前(2025年6月末:51,063人)から約1万1千人増えています。2号は1年足らずで大きく伸びていますが、1号と比べるとまだ少数です。

自社は対象?「業務区分」×「産業分類」のダブルチェック

工業製品製造業で受け入れるには、次の2つの条件を同時に満たす必要があります。

  1. 外国人が従事する業務が、受入れ対象の「業務区分」に該当している
  2. 外国人が働く事業所が、受入れ可能な「日本標準産業分類」に該当している
拡大前拡大後(2026年6月1日〜)
業務区分(1号)10区分17区分
業務区分(2号)3区分3区分(従事業務の見直しのみ)
産業分類(1号)49分類76分類
産業分類(2号)19分類46分類

新たに対象に加わった主な業種は、自動車・同附属品製造業、航空機・同附属品製造業、ゴム製品製造業、家具製造業、生コンクリート製造業、耐火物製造業、プレハブ住宅製造業、電線・ケーブル製造業、かばん製造業、こん包業などです。これまで対象外だった企業も、日本標準産業分類のコードで改めて確認してください。

17業務区分の仕事内容を徹底解説

金属加工・電子部品組立・表面処理・射出成形の製造工程

従来の3区分(2号への移行も可能)

業務区分主な業務内容
機械金属加工鋳造、鍛造、ダイカスト、機械加工、金属プレス、溶接、塗装、検査 など
電気電子機器組立て電子機器・電気機器の組立て、基板実装、配線、検査・調整 など
金属表面処理めっき、アルミニウム陽極酸化処理、研磨 など

この3区分が在留者の大半を占め、特に機械金属加工は全体の約8割(2025年6月末時点)です。溶接・塗装などは独立した区分ではなく、機械金属加工区分の業務として扱われます。2026年の改正では、機械金属加工に電子機器組立て、プラスチック成形材料製造、アルミニウム圧延・押出製品製造などが加わり、電気電子機器組立て・金属表面処理など計6区分で従事できる業務の範囲が広がりました。

2024年に追加された7区分(1号のみ)

  • 紙器・段ボール箱製造:紙器・段ボール箱の製造
  • コンクリート製品製造:コンクリート製品の製造
  • RPF製造:廃プラスチック・古紙を原料とする固形燃料の製造
  • 陶磁器製品製造:衛生陶器・食器・タイル等の製造
  • 印刷・製本:オフセット・デジタル印刷、製本加工
  • 紡織製品製造:紡績、染色、織布、ニット、カーペット等
  • 縫製:衣服、寝具、帆布、座席シート等の縫製

2026年に追加された7区分(1号のみ)

業務区分従事する業務の例
電線・ケーブル製造電線・ケーブルの製造
プレハブ住宅製品製造大工工事、タイル張り、金属プレス、建築塗装、コンクリート製品製造 ほか
家具製造家具手加工、家具組立て、マットレス製造、家具シート縫製 ほか
定形・不定形耐火物製造定形耐火物・不定形耐火物の製造
生コンクリート製造生コンクリートの製造
ゴム製品製造成形加工、押出し加工、混練り圧延加工、複合積層加工
かばん製造かばんの製造

注意:新区分は「施行された=今すぐ受入れ可能」ではありません。 新規追加の区分・業務・産業分類で在留申請ができるのは、対応する技能評価試験が実施された段階からです。ただし、対応する技能実習2号を良好に修了した方は、告示の施行時点から対象になります。自社の区分で試験がすでに実施されているか、JAIMの案内で確認してから採用計画を立てましょう。

特定技能2号の対象は、17区分のうち機械金属加工・電気電子機器組立て・金属表面処理の3区分のみです。

技能評価試験(CBT)と日本語試験|2026年度からのルール

テストセンターでCBT試験を受験する外国人

特定技能1号の取得ルート

1号を取得するには、次のいずれかを満たす必要があります。

  • 試験ルート:製造分野特定技能1号評価試験(学科・実技)と、日本語試験(JLPT N4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト〔JFT-Basic〕200点以上)の両方に合格
  • 技能実習ルート:対応する業務区分の技能実習2号を良好に修了(技能・日本語の両試験が免除)

入管庁の統計では、現在1号で在留している人のうち、技能実習ルートが約5割強、試験ルートが約4割台後半です(2025年12月末・全分野)。

試験の実施主体がJAIMに変わりました

2026年4月から、これまで経済産業省が運営していた評価試験は、JAIM(工業製品製造技能人材機構)が試験実施機関として運営しています(1号は17区分、2号は3区分)。

  • 試験方式:CBT方式、学科試験と実技試験で構成 【要確認:出題数・試験時間・合格基準(学科65%以上/実技60%以上とする情報あり)】
  • 受験料:【要確認:JAIM/プロメトリックの最新案内で確認してください】
  • 合格率:【要確認:JAIM公表の最新値に差し替え。新区分は受験者数が少なく、数値が出ていない場合があります】

在留申請に使う書類:「合格証明書」から「結果通知書」へ

合格証明書の発行対象は2023年度以前の合格者のみです。2024年度以降の合格者に発行は不要で、2026年度以降は、**プロメトリックのマイページから取得する「結果通知書」**を在留申請で提出できます。

受験年度提出する書類
2023年度(令和5年度)以前合格証明書
2024・2025年度(令和6・7年度)結果通知書 または 合格証明書
2026年度(令和8年度)以降結果通知書

在留更新を控えた既存の外国人材がいる企業は、受験年度を必ず確認してください。

特定技能2号の試験

2号評価試験は、機械金属加工・電気電子機器組立て・金属表面処理の3区分で実施され、実技試験を中心に、技能検定1級程度の水準が求められます。要件の詳細(実務経験の年数、班長などの経験、ビジネス・キャリア検定や技能検定1級によるルートの有無)は、入管庁・JAIMの最新資料で確認してください。 【要確認】

2号に移行すると在留期間の上限がなくなり(更新制)、配偶者・子の帯同も認められます。工業製品製造業の2号在留者は、2026年3月末で1,529人(速報値)と、前年から大きく増えています。

JAIM(工業製品製造技能人材機構)の役割と受入企業の義務

会議室でプレゼンテーションを行うビジネスパーソン

JAIM(一般社団法人 工業製品製造技能人材機構)は、2025年6月25日に経済産業大臣の登録を受けた民間団体です。2025年7月以降、受入れ事業所の管理・支援、技能試験の運営などを担っています。公式サイト→ https://www.jaim-skill.or.jp/

受入企業に必要な手続き

  • JAIMへの入会(賛助会員):外国人が働く事業所ごとに入会します。入会金はありません。申請から入会完了まで2〜3か月程度かかるため、早めの準備が必要です。
  • 年会費の支払い:下表のとおりです。
  • 年1回の報告:賃上げ等の取組実績の報告が必要とされています。 【要確認:JAIM公式資料で表現を確認】
区分年会費正会員団体に未所属の場合
中小企業60,000円+3,000円
大企業80,000円+3,000円

会費は2025年度(入会開始の年)は半額で、2026年度から満額となっています。複数の事業所で受け入れる場合は、事業所ごとに年会費がかかるのが原則です。

なお、育成就労制度に向けた育成就労会員も新設されました。年会費は一律6,000円で、2026年度分は免除、2027年度分の請求は2027年1〜2月の予定です。

業務区分別の上乗せ要件

一部の区分には、通常の要件に加えて上乗せ要件があります。繊維分野(縫製を含む)の第三者監査(JASTI)や、印刷・製本の業界団体所属などが挙げられますが、2026年の区分追加後の最新内容を含め、JAIMの資料で必ず確認してください。 

製造現場での具体的な仕事内容と求められるスキル

CNC加工機を操作する製造業の技能者

機械金属加工の現場

  • 鋳造・鍛造:溶けた金属を型に流し込む、金属に圧力を加えて成形する。自動車部品や産業機械部品が中心
  • 機械加工:旋盤・フライス盤・CNC加工機で金属部品を精密加工。図面の読解力やNC操作スキルが求められる
  • 溶接・塗装:金属部品の接合や、自動車・建材などの塗装工程。JIS溶接技能者資格などの取得が推奨される
  • 金属プレス:プレス機での打ち抜き・曲げ加工

電気電子機器組立ての現場

  • プリント基板への部品実装(SMT・手はんだ)
  • 電気配線・ハーネス組立て
  • 完成品の動作検査・品質検査
  • 半導体関連のクリーンルーム内作業

新しく対象になった業種の現場

2026年の拡大で、自動車・航空機部品、ゴム製品、家具、電線・ケーブル、生コンクリートなど、これまで対象外だった業種でも受入れが可能になりました。自社の業務が、どの区分の「従事する業務」に当たるかを事前に整理しておきましょう。

関連業務と安全管理

主たる業務に加えて、日本人が通常従事する関連業務(原材料・部品の受入検査、搬送、梱包・出荷、清掃・5S活動、設備の日常点検など)に付随的に従事できます。また、母国語や本人が理解できる言語での安全衛生教育を行うことが重要です。

底する必要があります。

給与水準・待遇と地域別の求人動向

休憩室で食事をしながら交流する多国籍の製造業チーム

工業製品製造業における特定技能外国人の給与・待遇について、最新データをもとに解説します。

給与水準の目安

項目金額(目安)
月給(総支給)20万〜28万円
年収280万〜400万円(残業・賞与含む)
時給(派遣の場合)1,200〜1,600円

業務区分や経験年数によっても差があり、溶接や機械加工など高い技能が求められる業務では、月給25万円以上の求人も珍しくありません。また、夜勤手当や残業手当を含めると、年収350万円を超えるケースも多く見られます。

注意:特定技能外国人の報酬は、「日本人が従事する場合の報酬と同等以上」でなければなりません。これは法令上の要件であり、違反した場合は受入れが認められません。地域の最低賃金をクリアしているだけでは不十分で、同じ職種・経験年数の日本人従業員との比較が求められます。

地域別の求人傾向

製造業が盛んな地域ほど求人が多い傾向にあります。

  • 愛知県・三重県・静岡県:自動車関連の機械金属加工が中心。月給22〜28万円の求人が多い
  • 群馬県・栃木県・茨城県:北関東の工業地帯。金属加工・プラスチック成形の需要が高い
  • 大阪府・兵庫県:中小製造業が多く、幅広い業務区分の求人あり
  • 広島県・岡山県:造船・自動車関連で溶接・機械加工の需要

福利厚生と生活支援

多くの受入企業では、以下の生活支援を提供しています。外国人材の定着率を高めるために、手厚い支援体制を整える企業が増えています。

  • 社宅・寮の提供(家賃補助付きの場合も多い。月額2〜3万円が相場)
  • 渡航費の一部または全額負担
  • 日本語学習支援(オンラインレッスン、教材提供、社内日本語教室)
  • 社会保険完備(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)
  • 生活オリエンテーション(銀行口座開設、ごみの出し方、公共交通機関の利用方法等)

特定技能2号への道と育成就労制度の展望

製造ラインで後輩を指導する特定技能チームリーダー

工業製品製造業では、長期的なキャリア形成の道が開かれています。特定技能2号や今後始まる育成就労制度について解説します。

特定技能2号の取得要件と最新合格率

2号に移行するには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 2号技能評価試験の合格:1号より高度な専門知識・技能を問う試験(CBT形式)
  • 実務経験:製造業で3年以上の実務経験(1号在留期間を含む)

2025年7月時点の2号試験合格率は、機械金属加工が約49.3%、電気電子機器組立てが約51.6%です。2号に合格すると、在留期間の上限がなくなり(更新制)、家族(配偶者・子)の帯同も認められます。2026年6月末時点で工業製品製造業の2号在留者は2,386人(速報値)です。2025年6月末の410人から大きく増えており、今後も増加が見込まれます。

育成就労制度(2027年度開始予定)

2024年に成立した改正入管法に基づき、技能実習制度に代わる新たな育成就労制度が2027年度に開始予定です。

  • 3年間の育成期間を経て特定技能1号への移行を目指す制度
  • 工業製品製造業の受入見込数は119,700人(全分野最大)
  • 1〜2年目の試験合格による転籍(転職)が可能に(技能実習では原則不可だった)
  • 監理団体に代わる「監理支援機関」が外部監査を実施

ポイント:育成就労→特定技能1号→特定技能2号という一貫したキャリアパスが確立されることで、外国人材が日本の製造業で長期的に活躍できる環境が整います。受入企業にとっても、計画的な人材育成が可能になります。

受入企業が今から準備すべきこと

2027年度の育成就労制度開始に向けて、以下の準備を進めることをおすすめします。

  • JAIMへの会員登録と最新情報の定期確認
  • 社内の受入体制(生活支援・日本語教育・安全教育)の整備
  • キャリアアッププラン(1号→2号への育成計画)の策定
  • 登録支援機関との連携体制の構築

工業製品製造業は対象産業が非常に幅広いため、自社の事業がどの業務区分に該当するか判断が難しい場合があります。また、上乗せ要件や協議会加入手続きなど、企業側が対応すべき事項も多岐にわたります。行政書士等の専門家に相談することで、適切な区分の特定と申請手続きをスムーズに進められます。まずはお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

西脇 清訓

MIRAI行政書士事務所

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代表行政書士

西脇 清訓

プロフィール

2020年行政書士事務所開業以来、国際業務、相続業務、補助金申請・法人設立など、人生と事業の節目に寄り添う専門家として、実務経験と豊富な知識を活かし、多くのお客様の課題解決に貢献してまいりました。

近年増え続けている外国人採用企業様への支援体制を強化し、中国人スタッフや多言語対応スタッフと共に、各種VISA申請をサポートしております。

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